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「まぁ隠してたっちゃあ隠してたか、こいつの希望もあったからな」
『面倒事に巻き込まれたくなくてですね…』
小声で呟いた彼女は“これまで公表したことによってとばっちり食らいました”と言わんばかりの表情をしていて同情と何故か申し訳なさが浮かんできた。
「で、今勝利に言ったのは今の光景を勘違いして欲しくなかったからってのがあるな」
するり、三日月のように細まったその奥には冷たい色が見えて背筋が伸びる。それは、どういう意味なのだろうか。
「ま、特に深い意味はないんだよ。お前ら何だか仲良さげだから勝利が気遣って話しかけるのやめたりしたらあれだなと思ってさ。折角うちのと話してくれる数少ない人間なんだし」
『…それさらっと私のことディスってるじゃん』
Aは気付いていない。一見優しげに話しているが、俺に探りをいれてる彼の目の鋭さを。社内の俺を知ってるからこそ気になっているのだろう。
大きく深呼吸したいところをぐっと堪えて、努めて普通に返す。
「Aさんは聡と同期だってのもあって話し掛けやすいんですよね。健人くんの部下で境遇が同じだから尚更かもしれないです」
「あぁ、そっか。お前らそういうところ似てんのな」
一応納得、みたいな雰囲気を出しつつまだまだ何かを聞きたそうにしてる課長にやっと気付いたのか彼女があ！と遮るように声を発した。
『二人ともあそこに居たってことはどこか行く予定とかだったんですか？』
「ああ！やっべそうじゃん。勝利、俺社用車玄関まで持ってくるからその間にしれっと話の論点ずらしたそこの学習しない俺の妹叱ってやって」
と小走りで外に出ていった背中を見つめながら同じく見送った彼女に話し掛けた。
「Aって俺のこと菊池課長に言ってないんだっけ」
『うん。引っ越す時に“人と同居するから”とは説明したけどそれが恋人で、しかも勝利くんだってことは一切』
まぁでも勘が鋭いので何となく察してそうな所はある…と苦笑しながら溢した彼女。
全く。寄ってくる厄介な輩は面倒で嫌気が差すけど同期や上司や兄…君を守る壁が強固すぎるのはそれはそれで頭が痛くて。
「ほんとAは罪な子だね」
『文脈めちゃくちゃだけど私なにかした？』
「もういっそのこと部屋に閉じ込めてしまいたいな」
『話聞いてないし物騒すぎて怖いんですけど！？』
せめて同じ部署なら心が安らぐのかな、なんて思いながら大慌てする彼女の口を同じので塞いだ。
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カノープス - もものすけさん» もものすけさんコメントありがとうございます！うわぁ〜そんな嬉しいことを言って頂けて感無量です…色々手探りで書いているので共感して頂けてるなら本当に良かったです！不定期ですがこれからも楽しみにして頂けると幸いです！ (2021年9月25日 8時) (
レス) @page16 id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
もものすけ(プロフ) - 更新してくださってありがとうございます！勝手にまろ恋と自分の中で呼ばさせて頂いていますが、本当にに入りから共感できることばかりで読んでいてによによが止まりません…。更新気まぐれだとしても本当に嬉しいです。無理なさらず、ご自愛ください。 (2021年9月20日 7時) (レス) id: 4f02f6a80b (このIDを非表示/違反報告)
カノープス - ハッピースクールさん» ハッピースクールさんありがとうございます！こちらは本当に不定期ですが楽しんで頂けたら幸いです (2021年5月30日 22時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - 新作楽しみにしてました！！ (2021年5月29日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カノープス | 作成日時：2021年5月27日 21時
