それでは人物紹介です ページ4
“すみません、佐藤さんこれなんですけど…”
「ああ。それならあとで目を通しておくんでそこ置いておいて下さい」
ピシャリ、シャッターが閉まった音が遠目で見ていた私でも聞こえたのだから多分資料を渡した彼女はもっと鮮明に聞こえただろう。
家では甘々で柔らかい表情の彼だが、仕事だと180度人が変わる。
冷酷で、厳しくて、笑った顔を見たことがない人。いつも睨んでる、とか口調が怖い、とかそんな印象が根付いてる。
確かに元々黒目が大きい彼の猫目は他の人からしたら鋭くて怖いだろうし、そこに極度の人見知りと理論的な思考回路が結び付けばそりゃそうなるなと思う。
「なんとかしようとは思ってるけど営業先で気遣ってるから社内に戻ってくると切れちゃうんだよね…
それに分かってくれてる人はいて評価もしっかりしてくれてるから、まぁいいかなって」
私を膝に納めながらそんなことを話した彼にある意味あれも素の彼なのだろう、とその時は感じた。
まぁしかし、あんな彼だけど人気がある。言及は避けていたけど…そうなのだ、言おう。彼は顔がいい。
顔面人間国宝、歩く芸術作品…などその固有名詞は数知れず。けれどそれのどれも彼の綺麗な造形美は表せてない気がするが。
「おーいAさん？どうした？」
『あっ、すみません！ぼんやりしてました』
「いいよ。ちょっと重たいもの持って貰ってるから疲れたでしょ？これ終わったらお茶にしよっか」
貰い物のお菓子があるんだ、と秘密事を教えるように微笑んだその笑顔はどこのお菓子より甘くて盗み見していた女性陣から感嘆の息が漏れた。
重たいものって…いらない備品を倉庫にいれるから、と持たされたものは本当に物入ってますか？と疑うくらいの軽さで全然疲れてないんですが。
すらりとした足を颯爽と動かし、彼が通り過ぎる度色んな人が目で追うその存在感を後ろで感じながらこの人はやっぱりすごいなと感服する。
「ついた。ちょっと埃っぽいからAさんそこで待ってて」
『いえ、部屋の中まで運びますよ』
「だーめ。折角の新しいスカートが汚れちゃうかもだから。置くだけだし持ってるの貸して？」
この観察眼、春だからと新調した淡いブルーのスカートに視線をやり私の返事を待たずに手から荷物を取り上げる。
荷物を全て置いた彼はあ、と私の耳に顔を近付ける。
「その色味、Aさんに似合ってて素敵だね」
………ちなみにだが、社内での一番人気はこの人である。
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カノープス - もものすけさん» もものすけさんコメントありがとうございます！うわぁ〜そんな嬉しいことを言って頂けて感無量です…色々手探りで書いているので共感して頂けてるなら本当に良かったです！不定期ですがこれからも楽しみにして頂けると幸いです！ (2021年9月25日 8時) (
レス) @page16 id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
もものすけ(プロフ) - 更新してくださってありがとうございます！勝手にまろ恋と自分の中で呼ばさせて頂いていますが、本当にに入りから共感できることばかりで読んでいてによによが止まりません…。更新気まぐれだとしても本当に嬉しいです。無理なさらず、ご自愛ください。 (2021年9月20日 7時) (レス) id: 4f02f6a80b (このIDを非表示/違反報告)
カノープス - ハッピースクールさん» ハッピースクールさんありがとうございます！こちらは本当に不定期ですが楽しんで頂けたら幸いです (2021年5月30日 22時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - 新作楽しみにしてました！！ (2021年5月29日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カノープス | 作成日時：2021年5月27日 21時
