検索窓
今日:35 hit、昨日:49 hit、合計:65,148 hit

47 ページ47

7回ウラ。



3対0と苦しい場面を迎えつつも、2アウト1・2塁と、追いつくチャンスはできている。



ここでチームを救ったのが、吉田正尚選手だった。



「っ!入ったー!」



ライトを越える、同点の3ランホームラン。



暗かったチームの表情が、一気に明るくなった。



「…? 朗希、どうしたの?」



突然、ベンチ裏に朗希がやって来た、と思ったら。



佐々木「…っ、良かった…!」



人前では見せないであろう、子供のように泣き崩れる朗希。



何も言わずに抱きしめ頭を撫でると、「ありがとう」という小さい声が聞こえた。



しかし、メキシコに2点を追加され、8回ウラに日本も1点を入れ返し、勝負が決まる9回ウラ。



祈ることしかできない私は、手を力強く握りしめ、その時を待った。



ここで均衡を破ったのは、あの大谷翔平選手だった。



初球を捉えた打球は、右中間を破り、大谷選手は俊足を生かし、2塁まで辿り着いた。



そして、2塁上で、こちらのベンチに向かって、吠えながら鼓舞する仕草を見せた。



ベンチにいた選手たちも、外に出て、それに応えた。



その後、吉田選手がフォアボールにより出塁し、代走としてチーム一の俊足・周東佑京選手が出た。



ここで迎えたバッターは、村上宗隆選手。



これまでの試合では不調続きと言われていた村神様だったが、彼ならいけると信じていた瞬間だった。



「ー!いける!!!」



村上選手の打球は、左中間を越える特大タイムリー。



その間に、大谷選手、周東選手がホームイン。



ベンチ全員が外に出て、感情を爆発させた。



そして、朗希は、感情のあまり、涙を流した。



ベンチにいる間、責任を感じ、誰よりも勝利を祈っていたのが朗希だった。



これでやっと、労うことができるんだ。



佐々木「…A!」



「お疲れ様、朗希。おいで?」



佐々木「…っ!」



腕を広げると、朗希はすぐに駆け寄って抱きしめてきた。



佐々木「ありがとう、A。本当に、ありがとう…」



「めっちゃかっこよかったよ。よしよし、よく頑張ったね。」



涙でくしゃくしゃになった朗希を見て、私ももらい泣きしそうになった。

48→←46



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
310人がお気に入り
設定タグ:佐々木朗希 , 侍ジャパン , 千葉ロッテマリーンズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あちゃごん - やばい...かっこかわいいとはこのことか...!最高な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2023年4月5日 13時) (レス) id: 4dbfea730e (このIDを非表示/違反報告)
庄司靖(プロフ) - 最っっ高! (2023年3月29日 12時) (レス) @page7 id: e958ad6f1e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キース | 作成日時:2023年3月28日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。