オタクに恋は…難しくない？ 【とぅーし】【RAB】

耳 ページ6

今、とぅーしさんの顔、歪んでたよね。



それに、左の手首を少し気にしているように見られる。



…まさか。



でも、とぅーしさんは、他のメンバーには言わずに、練習を黙々と続けている。



あつきさんたちも、とぅーしさんの様子には気づいてないようだ。



こうなったら…




｢あの、とぅーしさん。｣



とぅーし｢お？どうされましたか？｣



｢その…耳貸してもらえませんか？｣



とぅーし｢へ？は、はい。｣



なるべく、周りに聞こえないように。



｢…無理はしてほしくないんですが、まだやりたいですか？｣



とぅーし｢…っ！｣



とぅーしさんは目を丸くした後、察した表情でコクコクと頷いた。



｢痛さのレベル的に、重めだったりしますか？｣



これには、首を横に振った。



それなら、少し違和感があるくらいなのかな。



｢…じゃあ、練習終わった後、少し残ってもらえますか？手当てしたいので。｣



とぅーし｢…！｣




余計なお世話って言われるかな。



少し不安になっていると、



とぅーし｢…ありがと。｣



｢っ！｣




とぅーしさんは、ふにゃっとした笑顔を見せると、あつきさんの元に行った。



とぅーしさんの声と息が触れた耳が熱く、赤くなっている気がする。



…私、耳も囁きも弱いんだな。

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