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青side
重たい瞼をこじ開ける。
左手がなんか暖かくて、視線を向ければ青髭を生やした高地が険しい顔で眠っていた。
樹「...ひげ...ふ...笑」
ぎゅっと握り返しても、ちょっと身動きしただけで何も反応しない。
ちょっと寂しいんだけど...
樹「こーち、おきてよ」
高地の白ニットをちょいっと引っ張れば、パチンと開く大きな目。
樹「高地、おはよ」
高「ぇ...じゅ、り....樹?!!」
樹「声でかい!...樹だよ」
そういった瞬間苦しいくらいに、抱き寄せられた。
樹「こ、ち...苦しいんだけど」
高「ばか!!お前、ほんとばか!!!」
ばかって、酷くない?
そう言っておちゃらけてやりたかったけど、無理だった。
滅多に泣かない高地が鼻をすすっていることに気づいた瞬間、俺の何かが崩れていった。
高「...気づいてやれなくて、ごめんなぁ」
樹「んっ...ぅ...」
違うよって言いたいんだけどさ...
込み上げた熱さで声にならなくて、ぶんぶんと首を振ることしかできなかった。
高「おまえ、本当に苦しくなった時言えないの...分かってたのに。...ごめ..」
樹「こ...ち、くるしかった..どんどんちょうし..おかしくなってっ..はぁっ」
高「それでいいんだよ。苦しいって言って悪いことなんてないから。」
樹「俺、変だって..こわくて...どう、しよって」
高「うん。怖いのも、あってる。樹は怖いのに、頑張ってたんだよ。」
相談するの悪くないことなんだ。
俺、頑張ってたんだ。
高地が言ってくれた言葉が、どんどん俺の中に染み込んでいく感じ。
胸が苦しくなって、高地の背中にぎゅっと手を回す。
それ以上に強い力で抱きしめ返してくれた大きさに、俺の身体はやっと。
やっと休む大切さを感じられた気がした。
✩｡* *｡✩✩｡* *｡✩
リクエストありがとうございました!
デビュー1周年、おめでとうございます。
(2020.1.22-2021.1.22)
Twitter:@MiKAN__rain(こちらでもお話書いてます。)
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作者名：みかん
| 作成日時：2020年12月8日 0時
