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緑side
慎「ジェシー、まだ来てないの?」
高「うん。ちょっと遅いね」
いつも早めに来るジェシーの姿が見えなくて、少し気になった。
この前、熱を出したことを思い出して。
また熱を出してしまったんじゃないかって、不安だよ。
そして...
その不安はばっちし、当たってしまった。
ばたんとドアが開くのと同時に、鈍い音を立てて崩れ落ちたジェシー。
慎「っ!!ちょっと!!ジェシー!?」
ジェ「はぁはぁ...だい、じょぶ..」
上手く立ち上がれなそうな、その大きな身体に手を回す。
ジェシーから吐き出される息は、熱くて
完全に熱があることがわかった。
また,..?
ジェシー、いっつも元気だし風邪が長引くなんてこともないから。
めちゃくちゃ珍しくて、ちょっぴり怖くなってしまった。
ジェ「..たいおんけい、ばっぐ...」
慎「え?持ち歩いてるの...」
ジェ「うん...」
もしかして...
あの時から、ずっとジェシー熱出てたの..?
ジェ「しんたろ、かして」
慣れた手つきで体温を測って、そのまま誰にも見せないまま電源を切った。
慎「...なんど..?」
ジェ「....さんじゅーはちどご」
慎「頭痛かったりする?」
ジェ「んーん..きょうはいたくない」
今日「は」に引っかかった。
何か隠してる、ジェシー。
北「解熱剤持ってるけど....」
ジェ「ありがと...でも、いいや」
北「え?でも、」
ジェ「.....ごめ」
慎「ジェシー、何隠してるの。しっかり言って。」
北「ちょ、慎太郎っ」
この期に及んで隠そうとするジェシーにイラついてしまって、少し強い言い方になってしまった。
体調も良くなくて不安定なのか、ジェシーの目に一気に涙が溜まっていく。
ジェ「...しんたろ、」
慎「ジェシー、怒ってないけど...ちょっと怒ってる。」
隠そうとしていることが、なんだか寂しくて。
怒ってないって言ったら嘘になっちゃうもん。
ジェ「ごめ...なさ。」
つポロッと涙がこぼれ落ちて、ジェシーがごしごしと目元を擦る。
...やばい。
泣かせてしまったのは自分なのに、思っている以上に動揺した。
慎「え、あ!..ごめ、ごめんねっ!じぇし!」
ジェ「しんたろ、俺。俺ね..おかしいの。
熱出たり、下がったり。くすり、のんでもね
..下がんない。」
泣いて、ひくひくとしゃくりあげながら。
小さな声でぽつりぽつりと話し始めるジェシーは、幼い子みたいでか弱かった。
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作者名：みかん
| 作成日時：2020年12月8日 0時
