45.2 ページ20
青side
樹「きょも、病院行こう?」
大「嫌だ。最近落ち着いてるから。」
樹「落ち着いてるっていったって..」
ここ最近、きょもが喘息の発作を繰り返していた。
きょもはさ、隠そうとしてるみたいなんだけどね笑
大「苦しいから、嫌だ。樹お願い?」
樹「お願いっていったって...それはダメだよ」
大「....行かない。」
そう言って、イヤホンを耳にさして不貞腐れてしまった。
聞こえないことをいいことに、俺も大きく溜息をつく。
まださ、俺が「京本くん」って呼んでた頃。
その時も喘息の発作を繰り返してて。
めちゃくちゃ不機嫌な日があったんだよね。
理由を聞いたらさ、これまたボソボソと「検査してきたの...」って。
そこからSixTONESというグループになった。
グループになった以上、ずっと一緒だって思ってさ...色々調べたんだ。
だから、ほんの少し知ってるんだよね。喘息のことさ。
その検査...
気道過敏性検査のことももちろん。
苦しいってことも知ってる。
だって、薬で気管支を狭めるんだもん。
きょもにとってめっちゃ負担がかかることも、分かってる。
分かってるけどさ...
それがきょもの今後の為になるし。
微妙なとこだけど、俺はきょもの為になることだったら。
自分が嫌われたっていい。
...,ほんの少しだけね?しかもその日限定だけど!!
樹「きょも行こう?俺が一緒に行くから..?」
大「..っゲホッゲホッ..ﾋｭ.はぁっじゅ、り」
樹「きょもっ!!!ちょっと待ってね」
後ろを振り向いたら、苦しそうにしていたきょも。
一気に咳が止まらなくなって、呼吸も忙しない。
大「げほっげほ!!!,..ﾋｭは..はっ..ば..っぐ..けほ！」
樹「バッグね!?ちょっと待って!!」
急いできょものカバンをひっくり返す。
チャック付きの袋に入れられた薬一式があった。
使い方は、ひと通り調べてあるから。
緊張して手は震えてしまったけれど、どうにか上手くいったみたいだ。
きょもの強ばっていた華奢な体が、へなへなと力が抜けて俺に倒れかかってくる。
樹「...きょも?」
静かにポロポロと涙を流す姿に、心配になる。
弱いところを見せない彼が、隠そうともせずに泣いていた。
大「じゅ、り..いっしょ..きて」
樹「え!?ふふっ..いいよ。そしたら、ラーメン食い行く?」
大「うん...ぜったいね」
今日は少しだけ、頼ってくれた先輩。
白い頬を傷つけないように、俺お気に入りのタオルでそっと涙を拭った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 564人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかん
| 作成日時：2020年12月8日 0時
