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黒side
長男からの連絡を受けて、ソワソワしたまま定時を迎えた。
自分で言うのもなんだけどさ、らしくないミスを連発して。
久しぶりに上司から怒られた。
まぁ...しょうがなくもないけど、しょうがないのよ。
なんて言ったって、うちの樹が熱を出したなんて言うんだもん。
比較的丈夫でさ、今日の朝もしゃらくさく、
「パパも、がんがってね..じゅりもがんがってるんだから」と、愛らしい笑顔で保育園前で別れたはずだったのに。
とにかく早く帰らなくちゃ
会社を出たのと同時に、ジェシーへ電話をかける。
北「あ、もしもし!?..じゅり、じゅりはどう!?」
ジェ「パパっ!やばいよ、どうしよぉ..樹、じゅりねっ」
ジェシーも焦りまくっているらしい。
いつにもまして、語彙力を無くしてしまっている。
北「じぇし、いいからっ..はぁ..落ち着けって」
走りながらの電話は、思っていた以上にキツくて。
こんなところで、歳を感じるなんて何だか情けない。
ジェ「そ、んなこと言ったってぇ!!樹、全然熱下がんないのっ!..いいからっ、早く来て、早くっ!!」
涙声で訴える長男の様子に、俺の焦りも倍増する。
北「すぐ行くからっ!...待って、ろよ」
とにかく、まずは家に帰らなくちゃ。
タクシーを何とか捕まえて、乗りこめば振動して存在をアピールする携帯。
っんだよ!!
会社からではない事を願って、画面をスライドすれば「ジェシー」の文字。
まさか何かあったのだろうか...
今度は不安に襲われて、情緒不安定すぎてこちらまでしんどい。
北「どうした!?樹!?」
ジェ「あ、パパ!!.ちが、違うよ!、あのええっと冷たいヤツ!冷たい絆創膏みたいなの買ってきてっ!」
....冷たいばんそうこう...?
北「冷えピタか?」
ジェ「そう、それ!!もうないの!..はやく樹のおでこ冷やさないと」
北「わかった。分かったから、お前は1回水飲んで落ち着けよ?樹が起きた時、にぃにが泣いてたら困るだろ?」
優しく、そしてなるべく俺の焦りを出さないように声をかければ、ジェシーがぐすっと鼻を鳴らした。
ジェ「すーはぁ...うん。うん..そうする..ぱぱ、お願いね?」
北「おう...もう少しで行くからな」
電話を切るのと同時に、俺も大きく息を吐き出す。
落ち着かないといけないのは、俺だ。
変に早く脈打つ心臓を落ち着けるように、胸を摩った。
北「すみません!近くの薬局よってください」
必要以上に大きな声になってしまったのは、許して欲しい。
41.3→←41.*熱性痙攣(BLUE,BLACK・RED)
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作者名:みかん | 作成日時:2020年12月8日 0時