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41.2 ページ2

黒side

長男からの連絡を受けて、ソワソワしたまま定時を迎えた。

自分で言うのもなんだけどさ、らしくないミスを連発して。
久しぶりに上司から怒られた。


まぁ...しょうがなくもないけど、しょうがないのよ。


なんて言ったって、うちの樹が熱を出したなんて言うんだもん。

比較的丈夫でさ、今日の朝もしゃらくさく、

「パパも、がんがってね..じゅりもがんがってるんだから」と、愛らしい笑顔で保育園前で別れたはずだったのに。



とにかく早く帰らなくちゃ

会社を出たのと同時に、ジェシーへ電話をかける。



北「あ、もしもし!?..じゅり、じゅりはどう!?」

ジェ「パパっ!やばいよ、どうしよぉ..樹、じゅりねっ」


ジェシーも焦りまくっているらしい。
いつにもまして、語彙力を無くしてしまっている。



北「じぇし、いいからっ..はぁ..落ち着けって」


走りながらの電話は、思っていた以上にキツくて。
こんなところで、歳を感じるなんて何だか情けない。



ジェ「そ、んなこと言ったってぇ!!樹、全然熱下がんないのっ!..いいからっ、早く来て、早くっ!!」


涙声で訴える長男の様子に、俺の焦りも倍増する。



北「すぐ行くからっ!...待って、ろよ」



とにかく、まずは家に帰らなくちゃ。
タクシーを何とか捕まえて、乗りこめば振動して存在をアピールする携帯。



っんだよ!!



会社からではない事を願って、画面をスライドすれば「ジェシー」の文字。



まさか何かあったのだろうか...



今度は不安に襲われて、情緒不安定すぎてこちらまでしんどい。



北「どうした!?樹!?」

ジェ「あ、パパ!!.ちが、違うよ!、あのええっと冷たいヤツ!冷たい絆創膏みたいなの買ってきてっ!」


....冷たいばんそうこう...?



北「冷えピタか?」

ジェ「そう、それ!!もうないの!..はやく樹のおでこ冷やさないと」

北「わかった。分かったから、お前は1回水飲んで落ち着けよ?樹が起きた時、にぃにが泣いてたら困るだろ?」


優しく、そしてなるべく俺の焦りを出さないように声をかければ、ジェシーがぐすっと鼻を鳴らした。



ジェ「すーはぁ...うん。うん..そうする..ぱぱ、お願いね?」

北「おう...もう少しで行くからな」



電話を切るのと同時に、俺も大きく息を吐き出す。

落ち着かないといけないのは、俺だ。

変に早く脈打つ心臓を落ち着けるように、胸を摩った。

北「すみません!近くの薬局よってください」

必要以上に大きな声になってしまったのは、許して欲しい。

41.3→←41.*熱性痙攣(BLUE,BLACK・RED)



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作者名:みかん | 作成日時:2020年12月8日 0時

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