忍びの9-7 母親 ページ10
挙げ句の果てには、バギーとヒトガタで合体してしまった。
西部劇の如く、手持ちの銃を大乱射。
「バイソン・荒くれバスター！！」
あっという間にイッタンモメンを撃破すると、ヒラリと手を振って去っていった。
あまりに予想外な状況に、熱いなコレ！といつもの如くテンションを上げる天晴の横で、Aはというと。
「(よし、見なかったことにしようっと)」
あまりの突飛さに、記憶からの抹消を選んだのだった。
〜〜
「…あ、そうだわ。クラウド、Aちゃんはそこにいる？」
「？ 隣にいるが…」
乱入者の登場から一時間弱。
何とか道場まで戻ってきた従兄弟達。その中で一人、母へと電話をしていた八雲は隣をふいと見遣った。
わいわい騒ぐ皆に混じり、Aは笑っている。
「かわってちょうだい」
僅かに怪訝そうにしながらも承諾し、八雲が名前を呼んだ。
目を丸くしつつも寄ってきた彼女にそのままスマホを手渡す。
「…もしもし、Aです」
「久しぶり。さっきは助けてくれてありがとう」
「ぇ、あ、いえ…お騒がせしてごめんなさい」
「ふ、いいのよ。…、……Aちゃん、」
ーーお母さんの様子はどう？
僅かな間の後、最大限に気遣うような声で投げ掛けられた、努めて落ち着いたその問いかけに、Aの喉がヒュッと詰まった。
冷水を被ったように冷えた頭を回して、なんとか言葉を紡ぎ出す。
「、……変わり、ありません。安定は、してます…」
「………………そう」
「……」
「色々と落ち着いたら、病院に顔を出すわ。Aちゃんは来る？」
「……いえ、」
「…うん、そうよね。今は手一杯でしょうし」
「すみ、ません。来てくれるのに」
「いいのよ、気にしないで頑張って。クラウドのこと、よろしくね」
八雲には世話になってばかりな故、最後の質問に堂々と返事して良いか分からず。代わりに何度も頷いた。衣擦れの音で察したのか、くすくすという笑い声がスマホを通して聞こえる。
それじゃ、と一言明瞭に告げ、電話は切れた。
八雲に戻さなくて良かったのか、と思いながらも一つ息を吐くと、頭にぽすんと暖かい感触が。
振り向かなくても分かる、天晴だろう。
決して賢い訳ではないというのは本人も認める所だが、代わりになのか、妙な所で察しが良かったりする。
前から言っているがもう高校生。子供扱いは卒業したいところなのだが、今は少しだけこの暖かさに委ねていたい気がした。
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れもんぐらす(プロフ) - カオスカラミティさん» カオスカラミティ様 コメントありがとうございます。天晴とはまた違うハイテンションぶり、正しく異質ですよね笑 おじいちゃんに振り回されっぱなしの主人公ちゃんです〜 (4月19日 8時) (
レス) id: 3d5b3ed727 (このIDを非表示/違反報告)
カオスカラミティ(プロフ) - 更新お疲れ様です(^^)遂に出ましたねスターニンジャーことキンジが。あの戦闘中のハイテンションぶりは結構好きなんですよね。でも、孫達を倒したら弟子入りを認めるって、あからさまにじいさんは標的を変えましたよね〜(汗) (4月18日 22時) (レス) @page15 id: bd1532cab7 (このIDを非表示/違反報告)
れもんぐらす(プロフ) - とろろ昆布さん» とろろ昆布様 コメントありがとうございます。同じタイミングでニンニン再熱とのこと、嬉しいです笑 第一印象「変な人」からどう移ろっていくか、お楽しみください~！ (4月17日 22時) (レス) id: c8d1ae373e (このIDを非表示/違反報告)
とろろ昆布(プロフ) - 更新ありがとうございます！最近、私の中でニンニンジャーが再熱したのですごく嬉しいです。これからのキンちゃんとどう関わっていくのか楽しみです！ (4月16日 21時) (レス) @page13 id: e6ae02c415 (このIDを非表示/違反報告)
れもんぐらす(プロフ) - カオスカラミティさん» コメントありがとうございます。家族の関係性は重視したいなーと思っておりますので、色々描写していければと！さてさて、例の彼とはどう関わっていくのやら…？ (11月2日 8時) (レス) id: 3d5b3ed727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもんぐらす | 作成日時：2023年9月26日 23時
