標的187:何が為に ページ20
放課後。風紀委員の仕事を帰ってきた雲雀にバトンタッチし、Aは中村外科医院へと訪れていた。目当ての人物が確実にここにいる訳ではないが、いる可能性は高い。
病院内を探しまわりやっと目当ての人物の背中が見えた。後ろから声をかける。
貴「ディーノ」
デ「Aか。どうした？」
貴「…9代目は、どうなった」
昨夜の一件。明らかに9代目は死んでもおかしくない様子だった。あの姿を思い出すだけで心臓がうるさく鳴る。
デ「…まだ死んではいない。予断を許さない状況だけどな。勿論だが面会謝絶だ、ここにはいないぜ」
死んではいない。その一言を聞き、僅かに心臓の音が小さくなったのが分かった。
貴「そうか…分かった。それだけだ」
デ「ちょ、待てって！今夜の大空戦、行くんだろ？」
貴「ああ。チェルベッロから召集がかかったんだ、行きたくなかろうが関係ないがな」
デ「…無茶はするなよ」
いやに真面目な顔で伝えてきたディーノに、Aは一瞬固まった後、嘲笑するかのような表情を見せた。
貴「今更何を言うかと思えば。私がそんな阿呆なガキだとでも？」
デ「そうやって苛立った返しをそんな顔でしてくるやつがガキじゃなくて何なんだ？」
正論だった。
ぐっとAは押し黙る。
デ「第一お前、9代目が運ばれてた時、思い切り手が震えてただろ」
貴「…！」
見られていたことを今更知り、急に羞恥の感情が湧き上がる。もう震えてはいないはずなのに、無意識にAは手を握りしめた。
デ「…A、復讐のつもりであの場に立つことだけはするなよ。今のお前の居場所を守るために戦え」
ーー復讐ではなく、守るため。
ーー自分自身の居場所を、守るため。
ディーノの言葉を聞きながらも俯き、表情が見えないA。しかし、数秒経って上げたAの顔は、明らかに不満そうだった。
貴「…へなちょこだった癖に」
デ「なっ、お前まだその認識かよ！？」
心外だと言わんばかりの顔をするディーノに、Aはふっと緩やかな表情を見せる。
そのまままた後でと言い残し去っていくAの背中を見て、ディーノはポソリと呟いた。
デ「…お前がいねーと、恭弥のやつも荒れるだろうしな」
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さらち(プロフ) - れもんぐらすさん» 返信ありがとうございます…！それでも大丈夫です…！お待ちしてます(｡>ㅿ<｡) (2022年8月5日 23時) (
レス) id: 595843cf2a (このIDを非表示/違反報告)
れもんぐらす(プロフ) - さらちさん» コメントありがとうございます。こちら、何年も前に始めた作品故に、今となっては稚拙な所(というか恥ずかしい所)も多く…(^-^; それでももし需要があるのでしたら、色々と大幅なリニューアル、変更箇所があるかもしれませんが、良いでしょうか…？ (2022年7月25日 10時) (レス) id: c8d1ae373e (このIDを非表示/違反報告)
さらち(プロフ) - こちらもう更新はされないのでしょうか…？(´TωT｀) (2022年7月23日 3時) (レス) @page22 id: 595843cf2a (このIDを非表示/違反報告)
あんみっちゃん＠れもん(プロフ) - 白の狼さん» お返事遅くなりすみません、コメントありがとうございます！ オチアンケ、承りました！ とても、とても嬉しいです…！中々まとまりませんが、少しずつまた書いていきますので、よろしくお願いいたします！ (2020年1月22日 0時) (レス) id: 0243127d88 (このIDを非表示/違反報告)
白の狼(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！オチはベルがいいです！ (2019年1月11日 15時) (レス) id: 35790cd4c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんみっちゃん@れもん | 作成日時：2016年8月8日 10時
