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第参話「死ぬまで」 ページ3

「今日はとても幸せです」

「そうか、それは……良かった」


……!!

はい、貴方と会えて幸せです。


古ぼけた布団に寝転がる。

芥川さんの視線を感じる。

あなたが側にいるなら、本当にすごく幸せですよ。


その思いを胸に目を閉じた。


芥川さんが咳き込んでいるのが聞こえた。


 † † †


「おかえりー、どうだった?彼女は」

「別に特に云う事はありませぬ」


あり?

同じような境遇同士仲良くなって、少しは変わると思ったのだけど……。

少し計算違いだったみたいだね。


「彼女は……」

「ん?」

「彼女は僕と同じ空気を感じる…」


ほう?

やはり同じ境遇同士は何か感じるのかな?

彼女もまた親に捨てられた身。


少しは同情の一つでも覚えて、大人しくなってくれると助かるのだけれど。


「太宰さん…彼女はいつ頃死刑なさるのですか?」


……あぁ、そのことか…。


「その事なのだけれどね。まだ決まっていないんだ。だから当分君は…」

「そうですか、ありがとうございます……」


早い時は早いものだねぇ。


まぁ、でも……。

あまり感情移入し過ぎると後からのショックも多いだろう。


それもこの世界を生きる術、そう思ってくれれば耐えてくれるか…。


本当困った部下を持つと大変だ。


「……太宰さんは彼女を何処まで知っているのですか?」


何処までとは…何と答えたら良いのだろうね。

私と彼女の関係を云ったところで芥川くんには分からないだろうし。


「直接聞いたら良いだろう?君にはその力がある。行っておいで」


まぁ、彼女は教えてはくれないだろうけどね。

第肆話「殺される」→←第弍話「怖い」



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 芥川龍之介   
作品ジャンル:恋愛
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夢見る少女☆*:(プロフ) - ねこ娘さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。言葉の意味が分からないところがこの小説の醍醐味と言っても過言じゃありませんので (2017年4月7日 3時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ娘(プロフ) - はじめまして!!めっさ感動しました!!キャラが掴みづらいやつがれくんの気持ち(?)の表現の仕方とかとてもお上手です。夏目漱石の言葉とかそういう直接は伝わらないような言葉わざわざ鈍感そうなは芥川くん使うところとか、なんかとても心がキュッてなりました… (2017年4月6日 22時) (レス) id: 913331cd44 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る少女☆*:(プロフ) - 白崎 ツキトさん» 感動してくれて嬉しいです!貴方の心の中にいつまでも残っていれば幸いです (2017年3月25日 16時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
白崎 ツキト(プロフ) - やばい、すごい感動した。この作品に出会えて良かったです…!!! (2017年1月29日 19時) (レス) id: b835084626 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご@しらすの人( 。∀ ° )(プロフ) - 莱都さん» あの、コメ欄のチャット行為は禁止されているのでそろそろ… (2016年9月24日 2時) (レス) id: 77bd0378ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:13(ひみ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5066ad29441/  
作成日時:2016年8月14日 12時

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