第五十二話 潜入捜査 ページ7
『解剖は、じたの』
「身元が分からんから許可も下りへん。許可さえおりればなんなりと好きにできんねんけど…。
証拠ごと火葬されたら身も蓋もないからロボロと大先生が頑張って調べてくれてる。」
割と情報は少ないのか。これじゃあ難航するのも当たり前だな…。
身元も分からない、違法入国者の大量死亡事件。しかも体内の事だから刺殺もありえない。撲殺も有り得ない。
『ぞもそも、違法にはいってきて、るんだから゙、許可もクソもない゙でしょう?』
「難しーのよ、それが。例えばその死体がさ、他の…そうだな、例えばWT国のご令嬢の息子だとする。違法入国者だけど、位は高いんだ。慎重にしないと、捜査どころじゃなくなる。」
『ん゙ん…。』
他の国のどんな人であろうと、もう生きてはいないのだし命の重さは一緒。解決の為に他の国に許可貰いに行けばいいのに。その場合は説得が必要だろうけれど。
『なら゙、私が説得する』
でもそう考えるのなら、私がしないといけなくなっちゃうのだけれど。
一同驚きの表情を見せる。オスマンに至ってはものすごく嫌そうな顔で。
「駄目や。まだ怪我だって完治しとらんし、今病気しとるんやろ。」
『自分のことぐらい、私がいちばん、分かってるわよ』
唾を飲み込む。喉が痛かった。
『他国に解剖の許可を求めれば、解剖させてもらえるでしょう。
それを否定するのなら、事件に関与してると、思ったほうがいい』
「…ふむ。」
総統閣下が考える素振りを見せる。分かった、と口を開いた時には、オスマンの制止の言葉は遅かった。
「では、その許可を下ろすのに、A、ゾム、他国へと向かってくれるか。」
『え゙え、もちろん。行く国はしぼってくれると、だすかるのだけど』
「俺は反対や。嫌やって訳ちゃうけど、Aが心配やもん。」
むすっとした表情で、総統閣下を睨むゾム。
どれだけ心配性なの、この人達。私が平気だと言っているのだから、平気なのに。変なの。
「Aの休暇はちゃんと取らせる。総統命令だ、A、いいな。」
『…相変わらず強引ね。…はあ゙、分かってるわ゙よ。』
まあ正直、このダミ声で向かうのはあれだしね。治るまでは待ってて欲しいとは思ってたから丁度いいわ。
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五角形レンガ - すっげぇ、、、いや、感動でしかないです、凄すぎませんか!? (8月12日 10時) (レス) @page29 id: 142fcb5a32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 神作品、、、ッッッッ (2022年12月19日 12時) (レス) @page29 id: 9753754a57 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 鴉さん» お!!そうですそうです!!!!いやあ知ってる人いた………!!!!! (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - 作者様!!!!59話の夢主さんが言っている小説ってメディウムですよね!!!! (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: cdf302c4aa (このIDを非表示/違反報告)
GuriGura(プロフ) - う‘‘ぁ‘‘ッ、、、、、、、、、さ‘‘い‘‘こ‘‘う‘‘ッ‘‘、、、、、、、、、 (2022年9月25日 8時) (レス) @page29 id: b9eb3e9d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はしばみ | 作成日時:2022年9月8日 23時