第五十一話 事件 ページ6
＿
「では、会議を始める。Aは無理をしないように。」
会議室。総統閣下の低い声が響く。
重苦しい雰囲気を破ったのは、コネシマだった。
「Aは平気なん？まだ寝かしといた方がええんとちゃうの？そんな大事なことなん？」
「結構な。外部に漏らしたら結構まずい。一応同盟国同士ではやり取りはあるものの、国民に漏れたら大混乱を招くと思ってな。無理せず発言は控えろ。」
そのつもりだと頷く。さて、と彼が口を開いた。
「近頃、下町や他国の庶民の中で突然死する怪奇事件が起きている。」
その言葉に、一同首を傾げた。
「なんやそれ、突然死？」と言った表情で。
「まあ聞いてくれや。突然死っつっても皆同じ死因なんだ。
時間帯も年齢も違うが、唯一…内臓が弾け飛んで死んでいる。言うなら破裂だ。1部には腹が裂けている死体もある。」
「うえー、なんやそれキッショ」
「ゾムさんならやりかねん…。」
「なんか言った？大先生」「いや何でも。」
冗談交じりにそう言うも、皆の顔には困惑が浮いていて。
内臓が破裂、か。聞いたこともないな。寄生虫でも、腹が裂けるほどなら異変に気づくはずだろうし。いきなり、ばちんと言う感じで、だろうか。
『…ほかのﾞ、共通点、は』
ごほっとひとつ咳をしてそう言うと、総統閣下はうむ、と顎を押さえる。
「…
「それに加えて1部やと呪いだとか感染症だとか、陰謀論を唱えてる人とかも沢山おるんや。そんなウイルスで腹裂けるわけないやろて…。」
トントンは頭が痛そうにこめかみに手を当てる。
非国民か。それだと身元もわりにくいし、困ったもんだな…。
「その内臓破裂する人も時間もバラバラでな。ここ最近では何十件も来とるけど、歳なんてバラッバラやし。そん中に小さい子供もおるでいたたまれんしな…。」
「何が難しいかって、その違法入国者がいつどのタイミングで入国したんかが分からんことよな。分かるんやったら、ある程度絞れるかもしれへんけど…。」
ロボロの説明によると、外部の森の監視カメラも全部通り抜けられているらしい。バレないように設置してあるが、もう少し強化せんとなと顎を撫でる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 570人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
五角形レンガ - すっげぇ、、、いや、感動でしかないです、凄すぎませんか！？ (8月12日 10時) (
レス) @page29 id: 142fcb5a32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 神作品、、、ッッッッ (2022年12月19日 12時) (レス) @page29 id: 9753754a57 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 鴉さん» お！！そうですそうです！！！！いやあ知ってる人いた………！！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - 作者様！！！！59話の夢主さんが言っている小説ってメディウムですよね！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: cdf302c4aa (このIDを非表示/違反報告)
GuriGura(プロフ) - う‘‘ぁ‘‘ッ、、、、、、、、、さ‘‘い‘‘こ‘‘う‘‘ッ‘‘、、、、、、、、、 (2022年9月25日 8時) (レス) @page29 id: b9eb3e9d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はしばみ | 作成日時：2022年9月8日 23時
