第六十三話 後悔 ページ18
＿
惨憺。その言葉が似合うほど、目の前の光景は悲惨なものだった。
一ヶ月も経っているというのに、辺りには腐敗臭が漂っている。
雨に降られて腐ったかと、ガスマスクを顔へと着ける。これも異臭がするが、幾分かマシだ。
E国跡地。
『…国民は逃げたんじゃないの？』
「こんだけ大きい国や、逃げ遅れたやつだっておる。」
兵士の死体を平気で踏み付けるゾムに片眉を上げながらも、彼について行く。
…結局は、ガラクタか。クソが。
『…国民にあるのなら、兵士にもあるんじゃない？できるだけ傀儡にしたかったんだから、兵士も有り得る。』
「せやな…。まあ、国民らしきやつの亡骸見つけたら適当にそこらの奴ら拾って帰んで。」
本当、寝起きとは思えないぐらいシャキってしてて嫌になる。
血には慣れてるのだろうけど、これでも反応しないってなると、最早病気を超えて狂気ね。
素晴らしい才能だわ、全く。
『……あ』
「なんや、見つけたか？」
地面に倒れ込んだ兵士の下。ボロボロの布切れが見えた。可愛らしい、クマの柄。
『……。』
子供だった。
E国の兵士だろうか。その兵士に守られるように抱え込まれ、兵士も、子供も死んでいる。
兵士を退かそうと動かした衝動で、緩んだ兜がからんと地面へ落ちる。その顔は、あきらかな女だった。
＿親子、だったのか。
落ちてくる爆弾を目の前にして、咄嗟に守らねばと思い自分の子供を抱えるようにして伏せた。
けれど、守れず子供ごと。
『…、』
＿本当に、この決断は良かったのか？
＿お前は、後悔していないんだな？
クソッタレ。
『…連れていくわよ。』
「……おう。」
その兵士と、子供を抱きかかえる。
ゾムは何も喋らなかった。
あんまりよ、こんなの。
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五角形レンガ - すっげぇ、、、いや、感動でしかないです、凄すぎませんか！？ (8月12日 10時) (
レス) @page29 id: 142fcb5a32 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 神作品、、、ッッッッ (2022年12月19日 12時) (レス) @page29 id: 9753754a57 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 鴉さん» お！！そうですそうです！！！！いやあ知ってる人いた………！！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - 作者様！！！！59話の夢主さんが言っている小説ってメディウムですよね！！！！ (2022年10月19日 18時) (レス) @page14 id: cdf302c4aa (このIDを非表示/違反報告)
GuriGura(プロフ) - う‘‘ぁ‘‘ッ、、、、、、、、、さ‘‘い‘‘こ‘‘う‘‘ッ‘‘、、、、、、、、、 (2022年9月25日 8時) (レス) @page29 id: b9eb3e9d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年9月8日 23時
