・ ページ16
.
『…………。』
…過去に戻れる、か。
そんなの、何度祈ったことか。
だがそんなの、戻ったとしても結局変わらん結末になる。
『…結局なにも変わらん。』
帽子を深く被り直し、また一歩足を踏み出す。
外からはキャッキャと楽しそうな声が聞こえてきた。
「…！おや、」
バルコニーに出ると、そこにはバーデンがいた。
『………。』
無言で其奴の横に並び、中庭を眺める。
「珍しいねえ、君はこんな所に来るような人柄じゃないだろう。」
『…気分が悪いんでね。』
そう空返事をして、走り回る人達を見る。
『…………。』
カチャン、と金属が擦れるような音が横から聞こえ、そちらを向く。
「海は好きかい？」
グラグラと、懐中時計が揺れていた。
『……好き、じゃない。』
なにか底知れぬものに襲われる感覚に一瞬陥り、慌ててそっぽ向く。
「どうして？」
『…………。知り得ないものが、底に溜まっているからだ。』
「確かに、そうかもなあ。人間と似ているからかい？」
『……！』
此奴は、俺を見透かしているのか？
『……どういうことだ？』
「ふふ、さあね。」
そう言いはぐらかすバーデン。
『…………。』
「おや、もう戻ってしまうのかい。」
『…あんたといると嫌な予感が止まらないんでね。』
嫌味のようにそう言い、バルコニーを去る。
「…本当は自分がバレるのが怖かったんだろうに。」
そう喋った声は、俺の耳には届かなかった。
そう願いたい。
＿
夜食はハンバーグ、と言うやつらしい。
まぁ、俺が見た事あるやつとは違ったが。
犬の餌のようなぐちゃぐちゃの見た目もなく、綺麗な焼き色に赤色のソースが掛かっている。
一瞬血かと思ったが、血腥い臭いもなかった。
俺のいた場所は、相当貧しかったんだろうか。
それとも…＿＿＿＿。
「おーおー？Aさんよ、元気ねえぜ？もっとおちゃらけていこうぜ〜？」
ガシッとバーボンが肩を組んでくる。
『…お前は酔い過ぎだ。水飲めよ。』
そう、バーボンの片手には酒があり、所謂呑まれるな状態。
「え〜〜〜〜〜だって〜〜〜〜今日試合で疲れたんだもん〜〜〜〜〜〜」
キャラ崩壊に近い行為はやめてくれ……
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
胃酸先生。【Lat】(プロフ) - 猫好きなミカンさん» わぁいお赤飯だあ食べるぅ(5歳) (2021年3月21日 16時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫好きなミカン(プロフ) - お赤飯いかがですか？出来たてホヤホヤですよ (2021年3月21日 15時) (レス) id: 4fb5bc7315 (このIDを非表示/違反報告)
胃酸先生。【Lat】(プロフ) - 猫が好きな謎の生物さん» えっすぐ外しましょ今すぐ今すぐこんなノミみたいな((((((((ストーリー思いつかなすぎてやばかったんですよね……多分看守くんに裏庭でボコボコにされると思います(白目) (2021年2月14日 22時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫が好きな謎の生物(プロフ) - え、もうお気に入り作者登録しちゃったじゃないですか。まぁ、外すつもりないですけどね。...3回も抹消されちゃったんですねぇ...。 (2021年2月14日 21時) (レス) id: 5674f4a851 (このIDを非表示/違反報告)
胃酸先生。【Lat】(プロフ) - 春巻き美味しいさん» 三回この世から抹消されましたけどね((((((((1度は書いてみたかったんですよ、看守系のお話。 (2021年2月14日 20時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：胃酸先生。 | 作成日時：2021年2月14日 19時
