胃袋を掴んでしまった、という話。【rbr】 (ページ21)

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わたしじゃないページ21

『きっ、今日は色々と、ありがとうございました…！』

時はすっかり夜になり。夜ご飯はご馳走してもらい、ハンバーグだった。
もちのろんというか、すごく美味しかった。

「んん、いーえ。自分も丸田さんと沢山話せて嬉しいし。体調には気つけてくださいね？」

『はい、ま、また、今度！お話、しましょう！』

丸田A、天乃さんとは顔見知りから知り合いへランクイン。
む、向こうはどう思ってるか分かんないからね。控えめに思っておこう、うん。

「はーい、さいなら〜。」

手を振る彼に振り返し、部屋へと戻る。

…あﾞー、楽しかったけど、やっぱり人と接するのは疲れるな…。
いや、天乃さん以外の本当に知らない人だったらもっと酷いけど…ひぃ、人馴れしないとな、そろそろ…。

『ん、ただいまぁ。寂しかったやろみたらし〜、おー、わしゃわしゃわしゃ』

お腹撫でてと言わんばかりに腹を見せるみたらし。あーんかわいい。うちの子が世界一。

『ん、夜ご飯やろ、ちょっと待ち待ち。すぐ用意するでな…、ん、沢山食べーや。』

さて…、配信どうしようかな。元気にはなったけど、すっごい周りに心配かけそうだし。
目に痛くならないお絵描き雑談でもするかな…。その前に色々準備あるけど。

また今度天乃さんにお礼しなきゃだしな、色々考えておこう。

スマホの画面を操作し、Twitterを開く。

＿

みたらい@社会の家畜
@mitarasi_dango

今日は体に障らない程度で1時間弱だけ配信するよ
みたらい画伯の絵を見てってねー

＿

『…いいねはや。』

もう何十人からいいねが来る。怖いな140万人。
でもこれだけの人自分を好いてくれてるんだなあって、なんだか嬉しくなる。その反面もある。

『…あー、なんでやろ。』

目元を拭った。

私をフォローしたり、大好きって言ってくれる人は沢山いてくれる。
けれど。

その世界にいるみたらいがみんな好きなだけであって、私ではないから。

『…ちょっとだけ時間おいてからやろかな。』

なんだか虚しくなってきて、ぼすんと体をベッドへと預ける。
…疲れたなと、ため息をついた。