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第三十五話 諦めないこと ページ37

「…僕はAさんの考えを尊重したいと思います。
嫌やって言われて、どんどん嫌われてくより…互いに、嫌な思いせえへんし。Aさんが望んでることは、今まで出来んかった分、せんとあきませんから。」

「…"チーノ"は、それでええんか?」

「………。」

本当は、心の底から仲直りだってしたい。仲が良かった時よりもっと、仲良くなりたい。ずっとずっと、Aさんも含めてW国にいれたら、どんなに幸せか分からないぐらいに。

でもそれは、Aさんは望んでない。ショッピも分かって、ああ言ったんだろうし。

「…Aさんが望んでない限り、傍にはおれませんよ。俺にはその価値がないですから。」

「……、それでええんやったら、ええけど。」

彼もさっきのAさんと同様に、外を見た。苦い匂いが、鼻をかすめる。

でも彼女が、俺達を、俺を許す日なんて来んのやろなあと、内心嘲笑する。
寂しいなあと、肘掛に腕を置いた。

「俺は、Aと一緒におりたいと思とる。」

「………。」

顔を逸らしたまま、コネシマさんはそう言った。

「俺らが諦めたから、Aも諦めた。そっからまた俺らもAを諦めてしもたら、ホンマに終わりやと俺は思う。こいつの傍には誰かがいたらなあかんねん。」

「…コネシマさん…。」

「…こいつ1人にしたら、いつかころっと死んでしまいそうなんやわ。直感やけどな。」

すやすやと寝ているAさんの顔を、コネシマさんは見ていた。

「俺は、Aを諦める気は無い。どんなに否定されても抗ったるわ、絶対にな。」

「………。」

彼はにっと笑った。得意げに、でもそこにじんわりと滲むような弱さも見えて。
ほんま部長は…と呆れながらも、彼の肩を軽く小突く。いって、と言う彼に口を開いた。

「とことん付き合いますよ!俺も諦めないことにします。」

「…、なんや、お前!言うようになったなあ、チーノ。」

「フフッ…あっ、じゃあ、先に諦めた方が負けってことで!」

「絶対諦めへんわ、アホ」

ばしんとコネシマさんも、自分の背中を叩く。
痛いんだから、本当に。

本当に痛いぐらいに真っ直ぐで、突き進んで。
あなたに会えて本当に良かったと、そう思う。

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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…!!!)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…!??!?更新ゆったりまったりですが頑張ります!!! (2022年8月17日 20時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…!あとメンバーの性格(?)が色濃く表れていて好きです!更新頑張ってください!! (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ!!ありがとうございます…っ!!!頑張ります!!!! (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…!!ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです!!(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます!! (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はしばみ | 作成日時:2022年8月13日 18時

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