第三十話 爆発 ページ32
最悪な日だと、そう思った。
日が照りながら、雨の降る日。あの日と同じように、雨に降られた。
「…心配すんなゾム。Aは絶対助けるんや、失敗は計画にないやろ？」
シャオロンが俺の背中を強めに叩く。
…1番気にしとんのは、シャオロンやないんかと言葉を紡ごうとした。
「…っせや、当たり前やろ！！」
絶対、助けなきゃいけんのや。
＿
ガタガタと、列車が揺れる。もうちょっと走れんのかという苛立ちが、足元に出てくる。
誰もが喋らない。緊張と覚悟と不安が、漂っているだけ。
E国とW国を繋ぐこの線路も、時期に無くなるだろう。
俺が全部ぶっ壊すから。
「…大先生、あと何分？」
「……あと5分弱や。」
もうそろそろやなと、内心意気込む。E国とは戦ったことは無いが、爆弾が多いとか、核兵器を隠し持ってるとかの噂が立ってる。
きっとその噂も本当なんやろう。あるはずないと信じるより、絶対あると疑った方がいい。
胸元の、ネックレスを服の上から確かめる。
頼む。Aが酷い目にあっていませんように。辛い目にあってませんようにと、心の中で祈る。
あいつが助かるなら、俺が報いを受けるから。
ドカァンッ！！
＿大きな爆発音が、その時鳴り響いた。
目を見開いて、すぐさま窓を開く。E国からの爆発音。
「…城が…。」
城の上部が、ゴッソリと爆発で削れている。何故？誰が爆発を起こした？別の国か？それともAか？
そもそもなぜ爆発したんや？そんなアホなことせん限り、城の中で爆発なんて起きへんはずや。どっかから砲台を打たれたとしても、あれほど削れへんし。
「ゾム、見えるかあれが。」
「ああ、グルッぺン。城が大変酷いことになっとる。」
「あれを起こしたのは恐らくAだ。」
その言葉に、首を傾げた。
「Aは捕らえられてるんとちゃうの？」
「あいつは優秀なうちの幹部だぞ？多才で、どんなことでもやり遂げる。
あいつが何もせず地下牢でうだうだしてるようには、俺は思えん。」
「…せやったら、無事、なんかな。」
顔を俯かせる。
「ああ、少なくとも、生きてはいるだろう。どんな状態かは知らないが、必ず生きている。」
ドンと、背中を叩かれた。
ああ、良かった。生きていると、希望が見えて。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
