第三話 助けた訳じゃない ページ5
『…どうして、あなたの手伝いをしなければいけないの？』
「…や、やって…。」
そう言うと、もごもごと言いごもり、縮こまる彼。
呆れた。言い方やり方が変わっただけで、結局は押し付けがましいじゃない。
「行ってええよ、A。やりたいことあんねんろ、ゾム、俺が手伝ったるから。」
隣に座ったシャオロンが、そう彼に教えるようにここはこうでな、と言っている。
いいお節介だと、そう思いながら部屋を出た。
ばさりと、紙が散らばる。
「あ…ごめん、邪魔やんな、すぐ退けるさかい…。」
丁度なタイミングで、扉の前に居た鬱先生とぶつかる。彼が持っていた書類が散らばり、それをせかせか拾う。
『…別にいいわ。』
彼の横をサッと通り、そのまま去る。
＿
『………。』
はあ、と思わず嘆息した。
居心地よく城外を散歩しようかと思っていた矢先、変なものを見てしまった。
「ええ？幹部様そんなことも知らないんですかあ？」
「こんなに背が高いのに、中身はヒョロいんですね？」
「えぇ…ちょお、なんやねん？」
…幹部の中でも最年少、チーノが、上流兵士に絡まれている。多分彼よりも年上で、30後半程度か。
別にいじめの光景なんぞは何度も見てきたし、なんなら自分が受けてきたので勝手にやってろって感じだけど。
道の真ん中で、しかも私の部屋の目の前で、そんなことが起こってるの。まるで狙ってるみたいに。
『あなた達』
めんどくさいなあと、彼らに近づく。
もっと影でしてくれないかな。
『道の真ん中で言い争いしないでちょうだい。目障りよ。』
「は…な、ん…。お前ごときが、俺に勝てると思って＿＿っっ！」
『いい加減にしろと言っているのが分からない？邪魔なの。どいてくれるかしら。』
兵士が、その場で尻もちをつく。この顔のおかげでもあるけど、適当に圧をかけただけでこんなになるって、この人本当に上流兵士かしら。
「あ…あの、すんません、助けてくれて。」
『触らないで。あなた達が邪魔だっただけ。
分かったならどいてくれるかしら、今頗る機嫌が悪いから。』
何か出来る訳でもないが、そう言っておけば彼は大人しくなるだろう。
大したことの無い女に怯えるこの人達もこの人達だが。
引っ張られた袖の端を払い、部屋へと入った。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
