第一話 容赦 ページ3
目覚めはなんとも。パチリと目を覚まし、体を起き上がらせる。
時刻は8時を過ぎている。以前は6時手前には起きていないと、どんな物言いをされるか分からなかったが、今はもうどうでもいい。
首を回し、痒い頭を搔く。ドレッサーに座り、鏡を見る。
酷い顔ね、と嘆息した。さすがに昨日は夜更かしし過ぎたかしら。小説は色んな種類があって飽きない。
『………。』
ふんわりとした、優しい生地のワンピースを着る。黒色で、あの人を彷彿とさせるがまあいいだろう。そんなこと言っていたら服なんて着れやしない。
髪はハーフアップにして、適当な髪留めを手に取って、留める。
朝食の時間は過ぎているが、頼めばパンやら出してもらえるだろう。貰えなかったら自分で作ればいい話だし。何か言われたら？あなた達には関係ないでしょうで通せばいい。
＿
食堂は、予想通りがらんとしていた。ぽつぽつと数人兵士やメイドは居るものの、幹部は居ない。すれ違った女中は頭を下げ、そそくさと出ていく。
嫌悪の次は恐怖か。面白い。
『シェフ、何か軽食は出せる？』
「あ＿は、はい！な、なんでもお申し付けくださいませ…！」
『…そうね、サンドイッチを作ってちょうだい。』
かしこまりましたとたどたどしく言い、厨房の奥へと行ったシェフ。
しばらく経って、慌ただしく運んできてくれる。ありがとうと受け取り、それを口へと運ぶ。
うん、美味しい。相手がどんなに怖くても美味しいものを作ってくれるから、ここのシェフは嫌いじゃない。
『ご馳走様、美味しかったわ。』
「あっ…ありがとうございます！」
かちゃんとシンクの隣に置き、お礼を言って食堂を出る。あの事があってから、中々食堂で食べられる機会が無かったからな。ほとんどメイドが運んできてくれるぐらいで。
「あ…A、ちゃん。」
『……。』
目の前に立っていたのは、鬱大先生だった。
いつだったか忘れたが、大昔は大ちゃん、なんて可愛らしい名前で彼を呼んでいたが、今はそんな中ではないし、呼ぶ必要も無い。
『何か用かしら、鬱先生。』
「…、あー、あぁいや、ううん、何もないねん。ただばったり会ったから…。」
『そう。』
用もないのに話しかけないで欲しいなと思いながら、彼の横を通り過ぎる。
以前まで、私の言葉も無視をしていた彼に、容赦など意味もない。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - 霜華さん» (レスつけてなかったです…！！！)はしばみよりすごい作品を理解してるかたですね…！？？！？更新ゆったりまったりですが頑張ります！！！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
霜華(プロフ) - 常に冷静沈着で俯瞰し、諦観している感じの子が大好きマンだから読んでて楽しいです…！あとメンバーの性格(？)が色濃く表れていて好きです！更新頑張ってください！！ (2022年8月17日 19時) (レス) id: fd554933f3 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - ロックマさん» わあ！！ありがとうございます…っ！！！頑張ります！！！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
ロックマ - むちゃくちゃ好きですこの作品!!!!! これからも頑張ってください (2022年8月16日 12時) (レス) @page19 id: 7ddd684455 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - イナリさん» こういう系のお話を書きたかったので…！！ノリと衝動で書いたので、足らない部分があるかもと思っていましたが、そう言ってもらえて嬉しいです！！(更新頻度はバラバラです生きてる時もあれば泥みたいになってる時もあります…笑)ちまちまと更新頑張っていきます！！ (2022年8月15日 20時) (レス) @page16 id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年8月13日 18時
