三日目、何者。 ページ22
「お嬢さん、ちょっとええか？」
屋敷の裏手、森で。鬱は、ローブを着た人物にそう話しかけた。揺れる金髪。振り返ったその双眸は、アメジストに輝いていた。
「あら、なぁに？見たところ、この国の人じゃなさそうね？」
「ああ、せやな。少なくとも。」
互いに互いを探るように、空気は張り詰めていた。
いい気分はしないと、鬱は内心苦笑した。仕事上、観光客や色んな奴の相手をすることは多かったけれど、やはり女相手には慣れない。
「まぁ、いいわ。とりあえずこの物騒なものは貰うわね。」
女は、拳銃を持っていた。入れられていた弾丸をぼとぼとと地面へと落とす。呆気に取られていた。
今、何が起こった？腰に触れるも、硬い感触はどこにもない。
「…あー、はは、は。どういうとこなん？」
「ふふふ。」
女は不気味に笑うだけ。
「……、グルッペンっていう、男を知っとるか。」
「ああ。ええ、もちろん。でも私は囮だもの。残念ね、ここにはいない。」
だと思ったと、鬱は内心そう思う。一応念の為、チーノと金豚きょーには別行動をさせていた。
「そうねぇ、まぁきっとAの方にも追っ手は出されているでしょうし…。ふむ…。」
女は少し考えた素振りを見せたあと、じゃあお暇するわねと木の幹へと隠れた。その姿を追い、幹の根元を見るも＿＿女の姿は、なかった。
「……A…。」
ぼそりと、その名を呟く。聞き覚えのある名前だった。どこかで。呼んだこともない、その名前の人に直接あった訳でもない。なんだ、どこで。どこで聞いたんだ、その名前を。
インカムを鳴らす。誰か出てくれと、通信を飛ばすと、やっと繋がった。トントンだった。疲弊した声が鬱の耳へと入る。A国との戦争から何時間か経ったと、トントンが言うものの。
「とんち、覚えてたらでええんや。A。Aって言うやつの名前を知っとるか。僕はどっかで聞いたことある。頼む、思い出せへんか。」
なにか。なにか、大切なものだった気がするんだ。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
