三日目、懸念。 ページ14
W国の書記長、トントンは机に広げられた書類に頭を抱えていた。
ただでさえ総統のグルッぺンが居なくなったと言うのに、相も変わらず書類は増える一方で。
総統が失踪＿いわば誘拐をされてから、ものの数週間が目まぐるしく過ぎていった。
目の下にくまを飼い慣らしたトントンは限界すらも突破しており、話しかけることすらならないような雰囲気を漂わせていた。
グルッぺンがどこに行ったかも分からない。何かを要求されるのかと思ってもいたが、脅迫状が届くようなこともない。
＿そうなったら、うちの総統はもう…
ばきりと、万年筆が折れた。
あ。やべ。
「……いや、死んでたとしても死んでるってこと知るまで探さな…。」
いやまず死んでるって仮定せんとこ。暗い未来しか見えへんわ。トントンは痛む頭を抑えると、椅子から立ち上がり書記長室を出た。
道行く兵士に頭を下げられるも返事をしている余裕もなく、監視室へとつく。
丁度ロボロは部下と話をしていた所らしく、トントンに気がつくとあっと大きな声を上げた。トントンの痛む頭に、キーンと声が響く。
なんやとトントンが睨むと、たった今情報が入ったんや！とロボロは慌ててトントンの方へと駆け寄った。
見てくれとロボロが紙を差し出すので、トントンはそれを受け取り目を通す。
酷く荒れた文字列は、確かにグルッぺンを捕らえていると書かれていた。
場所はA国。はるか、W国から遠く離れた国だった。にわかには信じられんが、このことを知っているのは軍の人間と、攫った本人らしか分からない。
ぐしゃりと、紙を握った。
「今すぐ基地におる全隊員に告げ。」
おうとロボロが返事をし、椅子を回して座った。
待ってろ、グルッぺン。頭の中でトントンはその言葉を繰り返す。嫌な汗がトントンの頬を伝った。
助けられるかは50/50だ。グルッぺンの傍にでも敵がいて、俺らの侵入がバレたらきっと即殺。
「……っあークソ、」
グルッぺンが居ない中の指揮なんてしたことあらへんかった。
あんたならどうすんねん、グルッぺン。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
