一日目、終了。 ページ7
「…なんで同じ部屋なんや。」
合理的判断は嫌いではないが少しばかり俺にも抵抗はあるぞとグルッぺンがそう言う。
仕方ないだろうとAは椅子に腰をかけた。
「別に同じベッドで寝るという訳では無いだろう。ベッドを譲って貰ってる立場でものを言うな。
それとも何だ、添い寝でも希望か？それか古くて薄汚れた雨漏り確定埃に埃を重ねたような地下室より最悪な空間で寝泊まりするか？」
「…意地の悪い選択肢だ。」
それで結構だとAは鼻で笑う。ブランケットを体に掛けるものの、少しばかり寒いなと肩を竦めた。
「まずは体を休めろ。お前が思う以上に体は疲弊している。」
ランプの電気を薄暗くし、Aは背もたれに体を預ける。グルッぺンも渋々だが分かったと返事をした。
しばらく経つと、すぐに寝息が立った。
「…下手な狸寝入りだな。阿呆でももう少し上手くできるぞ。」
「……おや、バレていたか。少しばかり探ろうとしたが、無意味だったかろうか。」
「ああ、その通りだな。」
グルッぺンの輪郭を映し出したその空間は、窓から差し込む青白い光と、ランプの温かい光が混ざっている。薄暗闇の中、グルッぺンが口を開いた。
「殺されるとは思わなかったのか？」
「殺したいのであれば殺せばいいさ。ここには地図なんてないから心中がオチだろうがな。」
「…非情だな。逃げ口の1つぐらいくれてもいいじゃないか。」
「明後日まで耐えろ、それだけだ。それまでにお前が飼い慣らされるか、勝手に出ていって獣にでも食われるか。自由にすればいいさ、別にお前なんざどうだっていい。」
皮肉だな。グルッぺンは薄ら笑いを浮かべた。
「どうとでも言え。私は寝る。」
お前の対処で疲れてるんだとAは一言声を漏らし、目を閉じる。
綺麗な満月が、窓から覗いていた。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
