3 ページ3
Aは突然起きなくなった。
いつもの時間に起きたら、隣で寝ているA。
｢A、朝だよ？起きて。｣
いつも僕よりも早く起きる彼女が今日は珍しくまだ寝ている。
しかし、何度体を揺すっても声をかけても、
彼女は起きることはなかった。
僕は直ぐに彼女を病院へ連れていくことにした。
｢……冬眠しているようです。｣
｢冬眠？｣
そんな馬鹿な話があるのか？
訳の分からないまま、僕は彼女と家に帰り、
またベッドの中に彼女を寝かせた。
ベッドの端に座り、Aの髪を撫で頬に触れる。
｢A、春まで起きないの？僕、寂しいよ。｣
返ってくることの無い問に、寂しさを埋めるようにキスをする。
｢早く起きて、僕の名前呼んでよ。｣
まだ、冬は始まったばかりだ。
優しい君の声が、とても悲しそう。
けど、ごめんね。まだ起きれないみたい。
春の便りに愛を:ymmt
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
些細な言い争いは、私の心をぐちゃぐちゃにするのは簡単だった。
｢拓司なんて知らないっ！！｣
｢は？！Aっ！？？｣
私は彼の静止も振り切り家を飛び出した。
これでもう何回目だろう？
私が勝手に怒って、勝手に騒いで。
すぐ謝ってしまえば、こんなに泣かなくていいのに。
もうダメかもしれない。
友達にメッセージを送るが、深夜2時には既読はつかない。
素直になれれば、可愛げがあれば、
君は私の隣で笑ってくれていたのだろうか？
もう、貴方を振り回すのは止めよう。
私は決心する。
別れ話をしよう。
ファミレスで、彼へのお別れの言葉を考える。
しかし、考えれば考えるほど、
拓司との楽しい思い出や、彼の好きな仕草を思い出してしまう。
｢……別れたくないよ。｣
｢別れねーよ。｣
｢え？｣
涙が溢れる寸前に顔を上げると、
そこには息を切らした拓司が立っていた。
｢何勝手に別れようとしてんだよ。
どうせ、自己嫌悪になって俺に悪いとか考えたんだろ？
Aになら振り回されても許せるし、何回喧嘩しても、仲直りできる。
だから、別れるとか言うな。｣
｢けど、｣
｢けども、何も無い。
俺はAじゃなきゃダメなの。
わかった？ほら、帰るよ。｣
そう言って彼は私の手を掴み店を出る。
｢拓司、ごめんなさい。ありがとう。｣
｢どういたしまして。｣
繋がれた手が恋しくてたまらなくなった。
大丈夫、何度でもやり直せるから。
けど、なんで涙が出るんだろ？
dependence love:izw
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬(プロフ) - 藍さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて、とても嬉しいです。更新少なめですが、お気に入りを見つけて頂ければ嬉しいです。 (2023年3月12日 12時) (
レス) id: 1785096014 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - めちゃめちゃリアルですね…特に伊沢さんの解像度がすごく高くてびっくりしました (2023年3月10日 1時) (レス) @page5 id: bd2a7a0e5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：檸檬 | 作成日時：2023年1月24日 21時
