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翌朝。
目を覚ませば5歳の彼女が気持ちよさそうに寝ていた。
まだ、戻らないか。
なんとなく、短くて3日、
長くて1週間ってところだろうと感じた。
彼女が目を覚まさないように、
今日もそっとベッドを抜け準備をする。
Aさんの作り置きのお陰で、ご飯の心配はない。
今日の朝ごはんは、
冷凍されていたピザトーストと
ツナコーンチーズのトースト、
あとフレンチトーストを見つけたのでこれはおやつに持っていこう。
コンソメスープとバナナヨーグルトを用意し、
テーブルに並べていると寝室から泣き声がした。
｢えーん、ぐすん、あぁーー！！｣
｢Aちゃん！？どうしたの？｣
急いで扉を開ける。
僕を見つけると駆け寄り泣きながら怒ってきた。
｢ぐす、拓哉くんいなかった！
ぐすん、A1人だったぁ！｣
起きたらまた1人だった事が不安だったようだ。
僕は彼女を抱きしめる、頭を撫でる。
｢ごめんね、朝ごはん用意してた。
寂しかったね？本当ごめん。｣
｢ぐすん、うん。A、ひとりぼっちヤダ。
ママもパパもいつもお仕事でいないんだもん、
今日は拓哉くんいると思ったのに！いなかったぁ！｣
5歳で我慢を覚えてるAさん、
しかし、寂しいものは寂しいと素直に
この時は気持ちを伝えれていたんだな…っと、
少し悲しい気持ちになった。
よしよしっと、抱っこをしベッドに腰掛ける。
｢ごめんね…じゃー、明日は一緒に起きようか。｣
｢ぐすん、一緒に、おきる。お約束。｣
涙を溜めながら小指をさしだす。
僕はその小さな小指に自分の小指を絡め、
指切りをした。
今日も一緒に出勤をする。
オフィスに着き挨拶をすれば、
｢今日もAちゃんよろしくねー。｣
っと、須貝さんがAさんを高い高いした。
｢うわぁー、本当にAさん小さくなってる。｣
｢ノブ、小さいAさん困ってるよ？｣
午後になると学生バイトが増えてくる。
僕の打ち合わせで席を外す間の子守り担当は、
ノブと乾のコンビらしい。
｢乾、ノブ、これAさんのおやつ。
多めに持ってきたから、一緒に食べて。｣
｢え！いいんですか？河村さん、ありがとうございます。｣
ニコニコっと、ノブがおやつの入ったカバンを受け取る。
｢中身なんですか？｣
｢Aさん特製フレンチトースト。｣
｢やったー！俺生クリーム買ってこよー。｣
ラッキーっと乾はノブとハイタッチをする。
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
