4→パズル王の幼児化 ページ49
side You
「福良拳です、7歳です。」
小さくなった福良くんは私の腰にしがみついている。
それを、鬼の形相で睨む河村くんを宥め、仕方がなしに私を真ん中に2人と手を繋ぐことにした。
そしたら、今度は拓司がズルイと言ってきたが私体は一つしかないので「また今度ね」っと、諦めてもらった。
7歳の福良くんは大分人見知りらしく、近くにいた私から離れようとしない。
理由を聞いたら、なんとなく…と目を逸らせれた。
さて、どうしたものか。
「とりあえず、福良くんは今日うちにお泊まりだね。」
「…お姉さんも一緒？」
「うん、お姉さんのお家に拓哉くんと一緒にお泊まりしてくれる？」
「拓哉くん…うん。えっと、よろしくね？」
「…なんか調子狂うな、福良よろしく。」
福良くんはなんだかモジモジしながら、違和感に苦しんでいるようだ。
「どうしたの？」
「…名前、みんなどうして僕のこと苗字で呼ぶの？」
みんないつもの調子で福良くんのことを苗字で呼んでいたが、小学生くらいなら下の名前で呼ぶのが普通だろう。
「あ、ごめんね？拳くん、みんな拳くんのお友達だから仲良くしてね。」
ニコニコと彼の目線に合わせて話をすると、少し緊張がほぐれたのか、ふにゃっと笑う彼がいた。
「拳くん、謎解き好き？お姉さんと一緒に解いてくれない？」
私は、まだ未解決の試作の謎を小さなヒラメキ王子と解くことにした。
「お姉さん、ここはコレじゃない？」
「え？！…あぁ！なるほど！コレをこうして…できた！拳くんありがとう！」
「えへへ。」
やっぱり福良くんはこの頃からヒラメキ王子らしく、私が悩んでいた場所をすんなりと解いてくれた。
子供だからだろうか？発想が柔軟でうらやまし。
「…Aさん、僕にも構ってください。」
拗ねたようにショタ村くん…じゃなくて、河村くんが寄ってきた。
左にはショタ良くん、右にはショタ村くん。
「楽園かもしれない…。」
「Aちゃん、顔やばい。戻っておいでー。」
通りすがりの須貝くんに、現実に戻される。
「Aさん、スマホ没収です。」
そうして、連写をしていたスマホはショタ村くんに取られてしまった。
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
