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｢こうちゃん、手繋ごう！｣
｢え、俺と？｣
｢今日はこうちゃん、女の子にだから俺が守ってあげる！｣
｢えー？…じゃー、俺の方が大きいから
拓司が逸れないように手繋いであげるね。｣
｢はぁ？はぐれねーし！｣
オフィスに向かう道中、
伊沢はずっとこうちゃんに引っ付いていた。
｢なんだか、親離れしたゃったみたいで寂しいな。｣
昨日は手繋いでくれたのに…っと、
寂しそうなAさん。
宙ぶらりんになった彼女の手を掴み、
しっかり繋ぎなおしてやれば、
恥ずかしそうにこちらを見てきた。
｢あ！A姉とイチャつくな！！｣
｢うるさい、こうちゃんとイチャついてろ。｣
目ざとく手を繋いだことに気づいた伊沢に反撃した。
｢っせーし、イチャついてねーから。｣
っと、耳まで赤くしといて何言ってんだか。
side wtnb
4人で出勤をすると、近くにいた山本さんに、
｢こうちゃん、かわいいね。｣
っと、茶化してくる。
すると、伊沢さんがギュッと手を強く握ってきた。
｢拓司どうしたの？｣
声もいつもより高い気がして変な感じだな…。
｢山本さんはこうちゃんのこと好きなの？｣
｢へ？こうちゃんを好き？
仲間として好きだけど…？｣
｢…結婚とかしない？｣
｢え？！しないしない！！｣
ぶっ飛んだ話にびっくりする俺たち。
｢…薄々思ってたけど、
伊沢、こうちゃんに惚れたな。｣
河村さんが、やっぱりと呆れたようにため息をつく。
｢え…え？えぇぇー！！？！？｣
恥ずかしそうに顔を赤らめる伊沢さんと、
大声で叫ぶ俺と何とも対称的な光景だった。
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
