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トントン
｢拓司ー、こうちゃん、そろそろ帰るよ。
お片付けしてー。｣
Aさんが顔を出す。
｢A！！こうちゃんすげーの！
めっちゃ頭いいんだけど！｣
｢え…、ふふふ、大きい拓司も
こうちゃんに負けないくらい頭いいよ。｣
｢まじで！？俺すげー。｣
よしよしと、頭を撫でるAさんは、
お姉さんと言うよりもお母さんに見えた。
河村家にお邪魔すると、Aさんはご飯の支度。
河村さんはお風呂の支度を始める。
｢こうちゃん！次の武将教えて！｣
伊沢さんはすっかり歴史にお熱のようで、
次々と質問してくる。
｢ふふ、なんだかこうちゃん、お兄ちゃんだね。｣
｢まぁ、弟いるんで間違ってはないですけど、
なんだか変な感じですね。｣
苦笑いで答える。
｢お風呂準備できたから、先入って。｣
河村さんが捲っていた袖を戻しながら、
部屋へ入ってきた。
｢俺、Aとお風呂入る！｣
｢え？私？｣
｢だめ！エロガキは僕と入る。｣
ガシッと伊沢さんの頭を押さえつける河村さん。
｢えー！？なんで？いつもAと俺入ってるもん！｣
ヤダヤダーっと駄々をこねる伊沢さんと、
鬼の形相の河村さんに、困って笑ってるAさん。
｢私はいい｢Aさん！だめ！｣あ、はい。｣
しょぼんとするAさん。
｢…拓司、俺と一緒にお風呂入ろう？｣
｢こうちゃんと？…うん！こうちゃん、お風呂入ろー！！｣
バタバタとお風呂場に向かう伊沢さん。
｢こうちゃん、ありがとう。｣
なでなでと、河村さんに頭を撫でられ
なんだか鳥肌が立った。
｢い、いえ。今日お世話になるので…。｣
これくらいは…っと、恐縮する。
｢こうちゃん、あんまり畏まらなくていいからね？
お互い様だよ！｣
ニコニコと、今度はAさんに頭を撫でられ、
スッと鳥肌が引いた気がした。
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
