クイズ王と歴史ガチ勢の幼児化 ページ31
side izw
朝起きるといつもより布団が重く感じた。
ん？なんだ？
違和感はスマホに手を伸ばした時に確信に変わった。
｢手小さくなってね？｣
今回は俺が幼児化したみたいだ。
さて、どうしたもんか…。
ベッドを降り鏡で自分の姿を確認する。
7歳くらいかな？この前の河村さんと同じくらいか。
それなら、服借りれるなっと頭を巡らす。
幸い、今日明日は収録や社外での活動がないので、
このままでも良いが、明後日は収録ある。
それまでには、戻ってくれよ？？っと、
とりあえずどこにいるかも分からない神に手を合わせ拝んだ。
待てよ、記憶ないフリすればAとお風呂とか入れるんじゃね？っと、邪な考えが過ぎるが、
既に連絡を入れた後なので、淡い夢と消えた。
【福良:今回は伊沢か。
誰か迎えに行った方いいよね？誰か行ける？】
【須貝:俺行ける。】
【伊沢:すみません、よろしくお願いします。
鍵空いてるんで入ってきてもらって大丈夫です。】
さて、会社に行く準備をしよう。
そう思い立ち上がろうとすると、
立ちくらみ、
頭が痛い。
俺はそのまま倒れてしまった。
覚えてるのはここまで。
side you
｢拓哉くーん、今度は拓司小さくなっちゃったって！｣
連絡を確認し、身支度中の彼に報告する。
｢げ、今度は伊沢？
けど、連絡あったってことは記憶あるんだね。｣
｢あ、そうみたいだね！
それで、拓哉くん相談なんだけど…。｣
｢…はぁ、伊沢戻るまで家で預かろうか。｣
私の申し出を察した彼が、先に提案してくれた。
｢拓哉くん、ありがとう！｣
｢いいえ、困った時はお互い様ですから。｣
オフィスに行くとまだ拓司と須貝くんは来てないようで、いつも通り仕事を進めた。
暫くすると入口から賑やかな音がする。
なんだろう？拓司がまた何かウンチクでも話してるのかな？っと、呑気に構えていた。
｢おはようー！ちょっと！
伊沢さん記憶ないみたいなんやけど！？｣
え？オフィスが凍るのを感じた。
｢え？え？だって、連絡できたじゃん！｣
｢福良そうなんやけど、行ったらこれよ？！｣
脇に抱えられたギャーギャーと騒ぐ拓司(7歳)。
｢誰だ！？ここどこ？！誘拐だー！！｣
｢本当に職質されんでよかった…。｣
ゲッソリと疲れている須貝くんに、
どうぞとコーヒーをデスクに置く。
｢Aちゃん、ありがとう。｣
｢え？！A？！｣
知っている名前に顔を向ける拓司。
｢…A？
なんか、老けた？｣
｢拓司、一言多い。｣
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
