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side you
｢お疲れ様でしたー。｣
終わってしまった…仕事。
まさか、須貝さんと待ち合わせ。
今日誕生日だからって神様大盤振る舞い過ぎませんか？
私、明日死ぬの？！
外に出て、彼を待つ。
化粧も直したし、変なところないよね？
うわぁぁ、ドキドキする。
｢桃さーん、お疲れ様。｣
待った？っと、駆け寄ってくる須貝さん。
｢お疲れ様です、今出てきたところです。｣
平常心、平常心。
顔がニヤけそうになってしまう、チラッと彼の顔を見上げる。
｢…須貝さん？｣
何故だか固まってるので、顔の前で手を振る。
｢あ、ごめん。いつもと、雰囲気違うから…その…見惚れてたわ。｣
｢え？みほ、見惚れ？？｣
待って、そんなこと言われると勘違いしちゃう。
へ、平常心！！
｢そ、そんなに見られると恥ずかしいです。｣
流石に恥ずかしい。軽く両手で顔を隠す。
｢ごめん、ごめん。…少し歩こうか？｣
｢はい、｣
私たちは話をしながら歩いた。
改めての自己紹介に、好きな本や音楽、
動画の話や、須貝さんの研究の話。
｢桃さんと、もっと早くこうやって話せればよかった。｣
会話をしていて楽しいと、須貝さんに褒められる。
そして、どんどんと勘違いに拍車のかかる私がいる。
｢…なかなか、お店だと長話はできませんからね。｣
そう、私と須貝さんは店員と常連さんの関係なのだ。
｢…これからは、お店以外でもこうやって会えないかな？｣
｢え？｣
｢はい、これ誕生日プレゼント。｣
須貝さんに、手渡されたのは可愛らしいミニブーケ。
｢かすみ草と…？｣
｢ライラック。｣
紫色のライラックもかすみ草の小ぶりな花たちで、可愛らしくまとまっている。
｢かすみ草…私の誕生花ですね！｣
調べてくれたのかな？嬉しいな。
｢うん、ライラックは…俺の誕生花。｣
｢そうなんですか？私と須貝さんの誕生花？｣
どうしよ、すごく嬉し。
｢かすみ草の花言葉は｢無垢の愛｣｢感謝｣｢幸福｣、
紫色のライラックは…｢恋の芽生え｣。｣
｢恋の芽生え…｣
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作者名：檸檬 | 作成日時：2022年4月2日 11時
