【QK】外伝・神様は旦那様 (ページ2)

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｢…拓哉くん、A目玉焼きの黄色い所、
デロデロしてるの食べれない。｣

｢え？あ、ごめんね。
んー…スクランブルエッグにしたらた食べれる？｣
｢うん！｣

簡単にトーストとスクランブルエッグ？どちらかと言うと炒りたまご、あとヨーグルトを彼女の前に用意する。

朝ごはんを食べながら、彼女に質問して分かったこと。
今は5歳。可愛い従弟がいる。
最近ママもパパもお仕事で居なくて寂しい。
僕が褒めてくれたことが、恥ずかしかったど嬉しかった。

｢Aちゃん、僕これからお仕事行くんだけど、一緒に行ってくれる？｣
｢え！お仕事着いてっていいの？｣

ママはダメって怒るんだよー、
っと非日常体験にウキウキするAさん。

｢うん、僕のお仕事には沢山のお兄さんやお姉さんいるけど、Aちゃん仲良くできる？｣
｢出来るー！わぁー、楽しみ！｣

ごちそうさまでした、と挨拶をすれば
椅子から下りてクルクルと喜びを体現する。

僕は食べ終わった食器を洗いながら、考えていた。
彼女の着替えをどうするか。
パジャマ姿で、テレビを観るAさん。
今の時間開いている店もないし、このまま連れてくのも可哀想だ。
どうしたもんかな？
っと、困っているとAさんがお着替えするーっと、寝室へ入っていった。

｢え？｣

僕の悩みとは裏腹に、このご都合世界はAさんの服を用意してくれていたようだ。

｢お着替えできた！｣

紺色のワンピースに、黄色いカーディガンに着替えてきたAさん。

｢Aちゃん、他にお着替えある？｣
｢ん？ないよ？｣

この状況いつまで続くか分からない、
彼女が最低限過ごせる準備をしなくては、
っと頭を巡らせながら、僕はAさんと手を繋ぎ家を出た。

疲れた。

オフィスにたどり着く時には、一日分の仕事をやり切った疲労感に襲われた。

子供と歩くのってこんなに疲れるの？
東京の人混みを小さな子供の手を引いて歩くことは、僕の想像のはるか上の難易度だった。
途中抱っこを試みたが、15キロ前後のAさんと、自分の荷物の重さで僕が潰れてしまった。

｢拓哉くん、大丈夫？｣

ボーッとドアの前でフリーズする僕を心配そうに見上げるAさん。

｢ん？大丈夫だよ、少し考え事してたんだ。｣
ニコッと笑うと、安心したのだろう。
少し大袈裟に｢ふぅー。｣っとおでこの汗を拭うような動きをしていた。