21.前進 ページ45
[Aside]
玄関に入ると、壁に背中を押し付けられた。
えっ?これ壁ドン!?
でも、ちゃかちゃんの目は怒っているように見えた。
「ど、どうしたの」
『ダメだよ!こんな時間に男を部屋になんかあげちゃ!!』
『Aはそんな気ないかもしれないけど、中には勘違いするヤツもいるし、危ないから!俺…心配で気が気じゃないよ』
「ち、違う、違うって!」
夏休みの課題、やっと提出できる。
「ちゃ、ちゃか、ちゃん…ちゃかちゃんだから、私の前にいるのはいつだって幼なじみのちゃかちゃんだから…小さいころから優しくて、そばにいて私が困ってると助けてくれる」
「ジャニーズの宮近くんだったら、家なんか呼ばない!」
「うみもくらちゃんも大切な幼なじみだけど…」
「ちゃかちゃんは私にとってずっと特別な存在なの」
壁ドンのまま、じっとみつめられ
『それって、俺のこと好きってことでいいの?』
えっ?そうなる??
「……ん?ん〜??」
『プッ!プハハハ!いいよ、A』
『俺…気付くまで、待つから』
ちゃかちゃんは笑いながら、パンプスを玄関の隅に並べた。
[宮近side]
クス、クスクス…
マスクしててよかった。
ひとつひとつを思い出しては顔が緩んで仕方なかった。
「ジャニーズの宮近くんに会うのは自分が当選した時でいいの」
Aが舞台チケットを拒んだ理由。
俺が席を用意するのは違うんだってさ。
俺はただの「幼なじみのちゃかちゃん」だから(ニヤニヤ)
いつかAに超絶カッコイイ宮近くんを目の前でみせたいけど、
「ジャニーズの宮近くんはカッコいいって思うよ」
今一番のライバルはジャニーズの宮近くんなのか?
まぁ、楽勝♪楽勝♪
誰でも普通に部屋にあげちゃうのかと思ったら、
「ちゃかちゃんだから」って!!(ニヤニヤ)
俺だからなんだって!!
ん…待てよ?
俺は絶対に安心って思われてるってことか?
こりゃますます手を出しにくくなったぞ(困)
でもな、そもそも、
「私にとって特別な存在なの」なんて、言っておきながら好きか自覚してないんだもんな。
誰か先輩の胸キュンセリフで「いいかげん、好きって気づけよ」って言うのあったけど、まさにそうだよな!
いくら草食系の俺でも我慢の限界はあるんだけど、そこが可愛いんだよな〜(デレデレ)
『何年、片思いしてると思ってんだよ』
俺の片思い記録はまだまだ更新されそうだ…。
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作者名:みー | 作成日時:2020年9月27日 21時