41話 ページ7
「…ん。」
部屋の心地悪い温さにうなされ、寝ぼけた眼でスマホを確認すると、17:00と表示されていた
ご飯の時間は18時なので、今から準備をしたとしても時間が余るだろう
「…部屋暑すぎて気持ち悪いな。気分転換に、窓でも空けるか。」
部屋の奥にあった大きめの窓を開けると、その奥には大きめなベランダがあった
「…やっぱりもう寒いな…。」
今はもう12月。外に出れば、冷たい風がもろに当たる
少し肌寒さを感じながら、サンダルを履いてベランダへと出る
…いつも気分が落ち込んでた時は、何をしてたっけ
…悩む必要も無いか
私には
「…歌しかない。」
大きく息を吸って歌い始める
「Somewhere over the rainbow＿＿＿. Way up high＿＿.」
この歌は私が辛い時、よく歌う曲だ
星に願えば、叶わない夢なんてない
きっと、きっと
…いつも、『いつか』、『きっと』なんて
「そんな願い…叶うわけ、ないのに。」
「どんな願い？」
いきなり近くから声が聞こえ、周りを見渡すと隣のベランダから、羽生くんが頬杖をついてこちらを見ていた
「い、いるなら返事してよ…！いつからいたの！？」
「うーん、10分くらい前？軽く外の空気吸いたくて。」
「じゃあ最初から見てたの…！？もー、恥ずかしいとこ見られた…。」
私がそう言って頭を抱えると、羽生くんは「話しかけようとしたら歌い始めちゃったから。」と、いたずらっ子のような笑みをしながら話しかけてくる
「全然恥ずかしくないのに。すごい歌上手だったし、歌ってる時の表情とかも素敵だったけど。」
「…ありがとう。」
「お世辞とかじゃないからね。で、願いって何？」
…今…？ここで言うのか…？
…私の幼稚な願いを、わざわざベランダを通して話さなければいけないのだろうか
「も、もう寒いから、ご飯の時間まで部屋で休むね！その話はまた今度で！」
「え、ちょっと待っ＿＿」
羽生くんが何かを言いかけていたが、私も少し寒くなってきたので部屋に入った
"たくさんの人に、私の歌を聴いて貰いたい"
「…こんな馬鹿馬鹿しい子供みたいな願い、叶うはずがない。」
そう口に出し、ご飯を食べに行く準備をし始めた
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和流 凪(プロフ) - はろ。様。ありがとうございます…！時間が空き次第進めますので、どうか気長にお待ちください…！ (2022年4月2日 18時) (
レス) @page16 id: d85e1cac79 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 楽しみにまっていたので報告ありがとうございました！また更新するまで楽しみにしてます！！！ (2022年4月1日 14時) (レス) @page16 id: 158bbb488e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和流 凪 | 作成日時：2022年3月8日 2時
