38話 ページ4
エレベーターに乗り込むと、羽生くんが部屋の鍵を渡してくれた
その鍵には筆記体の数字で『1605』と書いてあった
「…羽生くん、ここのホテル何階建て？」
「20階建てくらいだけど、どうして？」
…確かホームページに書いてあったのは、15階までがスタンダードの部屋だった気がする
ということは…今から私が行くのは、広い部屋の客室
所謂スイートルームってやつか
「…いやおかしいでしょ。」
「…何が？」
彼が不思議そうにそう尋ねてくる
…本当にいいんだろうか。彼の厚意に甘えてしまっても
『申し訳ないとかは聞かないから。』
頭の中で、さっき彼に言われた言葉が木霊する
…いや、いいと言われたんだ。しっかり楽しませてもらおう
「…甘えさせてもらいます。」
「うん、そうして。」
緊張しないで楽に過ごして。と言われ、そうだね。とは言ったが、恐らく慣れることは出来ないだろう
…でもどうしてだろう
何か、何か彼の態度がしっくり来ないのだ
一体、何が…
「あのさ。」と羽生くんに話しかけようとした時
『16階に、到着致しました。』
そんなアナウンスが、エレベーター内に響いた
「あ、ついた。」
そう言ってエレベーターの扉が開いた瞬間、目を見張った
煌びやかなカーペット
清潔感のある壁やドア
そして極めつけは、近くの窓から見える絶景
「…こんなの…夢、みたい。」
私が感極まりながらそう言うと、うん。何度見ても綺麗だよね。と羽生くんが隣に来る
「Aと来れて良かった。」
そう呟いて、私の目を見て頭を撫でてくれる
…あ、気づいた。違和感の正体
この羽生くんの視線だ
違和感を覚えたのが何故なのかは分からない
だが、なんだろう
心地よく、ないのだ
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和流 凪(プロフ) - はろ。様。ありがとうございます…！時間が空き次第進めますので、どうか気長にお待ちください…！ (2022年4月2日 18時) (
レス) @page16 id: d85e1cac79 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 楽しみにまっていたので報告ありがとうございました！また更新するまで楽しみにしてます！！！ (2022年4月1日 14時) (レス) @page16 id: 158bbb488e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和流 凪 | 作成日時：2022年3月8日 2時
