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54話(S.side) ページ21

そんな事考えてたら、ゆづくんとその人軽く言い合いみたいなことし始めて、ゆづくん離れちゃったし




…うわ、あの人顔真っ青だ。…また倒れそうで怖いな




「ごめん、あの人倒れそうだから様子見てくる。」



「あら、結弦の彼女さんなんだからとろうとしたらダメよ〜。」



そう笑いながら冷やかすコーチを無視して、その人に近寄る





「あの、大丈夫ですか?」




そう話しかけると、彼女は今にも泣きそうな顔で笑顔を作る



「あっ、す、すみません…。いやぁ、また羽生くんのこと怒らせちゃって…。」




…笑ってるけど手が軽く震えてる。…ちょっと悪いけど、ここで倒れられると他の選手の方々にも迷惑だ



「確かAさんでしたよね。凄い顔真っ青ですよ。あっちの方に休む部屋あるんで、少し座って休んできたらどうですかね…?」



俺がそう言うと、変わらず笑顔でそうですね。なんて言う彼女





…これなんか聞いた方がいいのかな



いや、でも2人のことに首突っ込む必要ないか



俺がそう悩んでいた時だった






「結弦!!!!」




彼女が発した突然の大声に、驚いた僕は条件反射で耳を塞いだ




…え、何?



彼女の目線の先を見ると、そこにはゆづくんがいた



ゆづくんもまた、彼女の声に驚いているようだった



そしてもう一度彼女の方を見ると、手はまだ震えていたが、瞳はしっかりとゆづくんの方を見ていた




そして







「…っがんばれー!!!」




そう、ゆづくんへエールを送った





…僕は意味がわからなかった



本番でもないのに、こんなに応援する必要はあるのかとか、なんでさっきまで辛そうな顔をしてたのに今は生き生きとした顔をしているんだとか






…でも、ゆづくんはそうじゃなかったみたいで



彼女に向かって、すごい笑顔でピースしてた





…わかんない。なんでそれで2人とも幸せそうなんだろう



そうやってずっと混乱してる時、彼女は僕に向い直った



「…あ、宇野選手すみません。急に大きな声を出したりして。お部屋、少し借りさせていただきます。」




そしてそう言ってから僕に1度深い礼をして、部屋の方へ向かっていった



…僕が部屋借りてるわけじゃないから、僕に許可取らなくていいのに



…ほんと、見れば見るほど





「…不思議な人…。」

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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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和流 凪(プロフ) - はろ。様。ありがとうございます…!時間が空き次第進めますので、どうか気長にお待ちください…! (2022年4月2日 18時) (レス) @page16 id: d85e1cac79 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 楽しみにまっていたので報告ありがとうございました!また更新するまで楽しみにしてます!!! (2022年4月1日 14時) (レス) @page16 id: 158bbb488e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和流 凪 | 作成日時:2022年3月8日 2時

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