50話 ページ17
「…ここかな。」
数十分ほど歩き、着いたのは見上げるほどの大きさをしたスケート場だった
スケート場について、入口で入場受付をしようとした時
「申し訳ありません。現在は貸切になっております。」
とても綺麗な受付の方が、切れ長の目を細めながら少し怒っているような声で私を制した
…そうだ。確かに私は一般人だ。リンクサイドには入れないだろう、ということを羽生くんにも伝えておけばよかった
「そうでしたか…！申し訳ないです。」
私は何回もペコペコと頭を下げ、踵を返し帰ろうとしたその時
「…あ！ちょっとどこ行くの！」
後ろから馴染みのある声が聞こえ振り返ると、そこには少し息の切れた羽生くんがこちらに向かってきていた
「…羽生くん！どうしてここに…いま休憩中？」
「そうだけど…いや、今なんで帰ろうとしてたの。」
羽生くんは少し不機嫌にそう言った
「いやぁ、私関係者じゃないから入れないの忘れてたんだよね…。」
「何言ってんの、関係者じゃん。俺の…」
羽生くんがそこまで言いかけて、動きが止まった
あー…と目が泳ぐ羽生くんに、私は目で必死に"誤魔化して"と合図した
「…お…俺の幼なじみじゃん！…すみません、この人も見学大丈夫ですかね。」
そう何とか誤魔化して、受付の方に声をかける羽生くん
危ない。ここで"俺の彼女"なんて言ってしまえばまずいことになっていた
「…そうだったのですね！そうとは知らず、申し訳ございません。こちらのネームホルダーをお持ち下さい。」
綺麗な受付の方は少しの沈黙の後、態度をコロッと変え、スタッフと書かれたネームホルダーを差し出した
「すみません。ありがとうございます。」
私がそう言って、女性にしっかり頭を下げると
「いえ。とんでもございません。」
とだけ言って、マスクをしたまま目元をほころばせた
…とても、大人っぽくて素敵だな
そう思いながら羽生くんと一緒にリンクサイドへ向かおうとした時
「…幼なじみが苗字呼び…するかしら？」
…空耳だろうか、しかしはっきりとそう聞こえた気がする
不安になり、勢いよく後ろへ振り返るも、その女性は私たちに向かって深い礼をした
「どしたのA。もう休憩時間終わるんだけど。」
「…ううん、なんでもない。行こ結弦。」
私が自然とそう呼ぶと、羽生くんは目をまんまるくした後、すごく可愛い笑顔をしながら「はぁーい。」と答えた
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和流 凪(プロフ) - はろ。様。ありがとうございます…！時間が空き次第進めますので、どうか気長にお待ちください…！ (2022年4月2日 18時) (
レス) @page16 id: d85e1cac79 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 楽しみにまっていたので報告ありがとうございました！また更新するまで楽しみにしてます！！！ (2022年4月1日 14時) (レス) @page16 id: 158bbb488e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和流 凪 | 作成日時：2022年3月8日 2時
