36話 ページ2
…あれから4日
気がつけばもう埼玉
「…意外と日本って近いんだね。」
私が安心するようにそう言うと、羽生くんが不思議そうに聞いてきた
「なんでそんな嬉しそうな顔してるの。」
「え、…羽生くんが名古屋とか行く時も、実費でついていけそうだなって安心してた。」
「いや俺の彼女なんだから、関係者として着いてくればいいのに。」
羽生くんはそう言うと、ゲーム機の端末をカバーに仕舞い、1度こっちに視線を向けて微笑んだ
そしてポケットからスマホとイヤホンを取り出すと、素早く耳につけてしまった
そうだ。彼は金メダリスト。もう全日本選手権が近いんだ、彼の一人の時間を邪魔してはいけない
そう思い、LINEを開く
確認してみると、母からのメッセージが届いていた
『突然旅行に行くだなんて言い出して、お母さんびっくりしたよ。仕事をきっちりこなしながら楽しみなさい。』
そう、まだ母には羽生くんのことを伝えていない
話すのはいつ頃になるのか。まだ検討がつかない
「…これからの事がちょっと不安だなぁ。」
そんなことを1人呟きながら、私もイヤホンを付けた
「…て、A。起きて。」
「…んん…。」
気がつくと寝ていたようだ
目を開けると至近距離に羽生くんの顔があった
私の肩を軽く叩いて起こしてくれたようだ
「起きた？」
「…お、起きた…。」
眠気が一気に覚めて、羽生くんの整った顔をまじまじと見つめてしまう
「もう着いたから降りるよ。…大丈夫？」
…何の"大丈夫？"だろうか…？
「な、何の大丈夫？」
「顔真っ赤だよ。」
堪えきれない。といった様子で笑い出す羽生くん
誰のせいだと思っているのだろう
「は、羽生くんのせいでしょ！」
「俺なんもしてないけどなー。」
そう笑いながら言い、荷物を持って先にスタスタと歩いていってしまう
「いじめっ子め…！」
そう言いながら、私も羽生くんの後ろをついて行った
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和流 凪(プロフ) - はろ。様。ありがとうございます…！時間が空き次第進めますので、どうか気長にお待ちください…！ (2022年4月2日 18時) (
レス) @page16 id: d85e1cac79 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 楽しみにまっていたので報告ありがとうございました！また更新するまで楽しみにしてます！！！ (2022年4月1日 14時) (レス) @page16 id: 158bbb488e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和流 凪 | 作成日時：2022年3月8日 2時
