同期の黎弥２ (ページ19)

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慎 side.

〝Aのこと守ってやってほしい〟

Aさんが誰かに階段から押されて怪我したこと、
脅されていること、黎弥さんと別れたこと、
それを聞かされた後に夏輝くんに一言だけそう言われた

慎「……………ねえ、ちょっといい？」

愛莉「……………なんですか？」

慎「……………いつまで猫被ってんだよ」

愛莉「なに？呼び出しておいて感じ悪いんだけど」

慎「お前でしょ、Aさんのこと怪我させたの」

お前しかいないんだよ。思い当たるの。

愛莉「…………………………だったらなに？」

慎「は…………………………？」

愛莉「ちょっと気に食わないから怖い思いさせただけよ」

こいつ、…………………………狂ってる。

愛莉「それによかったでしょ？
結果あの女と瀬口さんは別れたわけだし
Aさんのことが好きなあんたにも好都合」

慎「…………………………可哀想な奴」

愛莉「うるさいっ、！！！！！
好きな人を振り向かせたくて何が悪いの！！？」

慎「そんなことしても黎弥さんは
お前のことなんて絶対好きにならないよ」

　

……………そう。絶対ならない。
黎弥さんはAさんのことしか見てないから。

それに、……………Aさんも。

別れた今でも、きっと黎弥さんのことを想ってる。

愛莉「うるさい！！！！！
もっと苦しめばいいのよ
いっそあんな女死んじゃえばよかった」

その言葉でキレた俺は

気がついたらそいつに掴みかかってた。

慎「……………お前、次Aさんになんかしたら
その時は俺がお前のこと殺すから。覚えとけよ。」

愛莉「っっ……………いった……………」

慎「…………………この会社にもいられなくしてやる」

愛莉「つっっっ………………………………………」

Aさんのこと泣かせる奴は俺が全員潰す
絶対こいつになんて邪魔させやしないから。

……………俺はAさんのことが好きだけど、
黎弥さんの隣で笑ってるAさんが好きだから

……………Aさんにはずっと笑っていてほしいから。