自由な異世界転生！…ではない

29. ページ33

『…一応教えておきましょうか』


私は袖から苦無を出し


『私は刀を使うことはほとんどないです』


ゾロ「なんで？」


『理由はいくつかありますが…一番はブラフ』


ゾロ「ブラフ？」


『いつもコソコソと人を襲っている敵に対してゾロ君はどう思いますか？』


ゾロ「弱い卑怯なやつ」


『そう、だから相手を舐めて隙ができやすい』


ゾロ「能ある爪は鷹を隠すってやつか？」


『…それをいうなら能ある鷹は爪を隠すですね』


ゾロ「あ、そうか」


『ゾロ君にもある程度教えましょう この草は食べると死にます この草は痛覚が少し麻痺します この草は…』


翌日ー


ゾロ「リア！」


『また来たんですね ゾロ君』


ゾロ「強くなりたいからな…何してるんだ？」


『アクセサリーの手入れです ついたくさん買ってしまったので』


ゾロ「ふーん…」


『何か記念に一ついかが？』


ゾロ「いいのか？」


『ええ』


私は鞄から沢山のアクセサリーを出し、ゾロ君の前に出した


ゾロ「…これ」


ゾロ君が選んだのは三連になっている金色の雫型イヤリングだった


『これ私の名前が入ってますよ？』


ゾロ「？」


ゾロ君はイヤリングをよく見る


ゾロ「…Aって書いてるぞ」


『私の本当の名前はAなので 他の人には秘密ですよ？』


ゾロ「じゃあ…」


『？』


ゾロ「秘密にする代わり、普通に喋ってくれ」


『ふふっ、それは少し卑怯じゃない？いいけど』


ゾロ「おう」


『卑怯…ゾロは卑怯ってどんな人だと思う？』


ゾロ「横入りとか不意打ちしてくるやつ」


『私はねゾロが言うものもだけど、一番は約束や覚悟、信頼を破る事だと思う』


ゾロ「なんだそれ？」


『覚悟って言うのはその人が自分の一つの壁を乗り越えた時にするもの』


ゾロ「壁？」


『強さの壁、心の壁、夢の壁…この世には沢山の壁があって、超えるのは難しい だから、超えるときにもっと成長するために覚悟を決めて進んでいく だから覚悟は大事だし、覚悟を決めた人を邪魔するのもダメ』


ゾロ「じゃあ約束と信頼は？」


『約束と信頼って言うのは約束する人が互いに信頼しあって任せ合うこと それが一時の約束でも長い約束でもどんなに小さなことでも、約束を軽んじることは相手を侮辱する行為 だから絶対に約束は守ってね』


ゾロ「おう…」


『あ、そうだ そのイヤリングに約束してよ この3つを破らないって』


ゾロ「…わかった！」


『上出来』


私は軽く微笑み返した

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