Segreto - side. R.A.

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そんなに待たないうちに、相手はやってきた。


10分も経っていないだろう。


しかもその相手は佐久間。


果たして運が良いのか悪いのか。


そのどちらかわからないけど、とりあえず出来るだけ気配を消して、こちらに近づいてくるのを待つ。


彼は俺に気付いていないのか、偶に周りを見回しながら、ゆっくりと歩いていた。


佐久間もスーツ。


やはり客として紛れ込んだか。


そのことを照達に知らせるため、小声でみんなに呼びかける。




ab「…佐久間を見つけた。相手も俺ら同様、参加客として紛れてる」




iw『やっぱりな。俺もふっかを見つけた。康二達は？』




kj『僕も見つけたけど、んー…多分向こうにも見つかっとるな』




mm『俺もだわ』




iw『わかった。……気を付けろよ』




“ふっか“とは、深澤のことだろうか。


全員相手を見つけられたようだ。


…向こうから見つかってもいるようだが。


俺も早めにやらないと。




段々と、佐久間がこちらに近づいてくる。


本当に気づいていないようだ。


普通こんな近かったら気づくと思うんだけども。


照が深澤を凄く高く評価していたものだから、彼と同じグループである佐久間を警戒してたんだけど…


警戒しただけ無駄だったか？


既に佐久間の場所は俺が撃てる範囲内ではあるけど、今はとにかく待つ。


ギリギリまで。


すぐ横に来た時でも、遅くはない。


でも、どこか佐久間の様子がおかしいことに気がついた。


なんだか、考え事をしているような感じ。


浮かない顔をしているし、心なしかどこか歩みがしっかりとしていなく見える。


……そんなんじゃダメだよ、隙がありすぎる。


そうか、考え事をしているせいで、周りがあまり見えていないのか。


もし今彼の相手が俺でなかったら、あんな調子ではすぐに殺られてしまう。


やはり俺に気づかない佐久間と距離がどんどん縮まっていく。


丁度ほぼ真横に佐久間が来た時、彼の動きが止まった。

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