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ru『阿部ちゃん!ごめん、今すぐ来てっ!!!』
朝から突然のラウールからの電話。
今日は元々昼過ぎに行く予定だったんだけど…
掃除をしていた手を止め、急いで家を出る支度をする。
ラウールの声からとれるあの焦りから、何か悪いことがあったんじゃないかと思ってしまう。
何があったんだ…?
ru「ッ阿部ちゃん!!!」
カフェのドアを開けると、ドアベルの音を掻き消すほどの大声でラウールに呼ばれる。
ab「ど、どうしたのラウ…」
ru「二階のパソコンが…!」
…パソコン?
ラウールに腕を引っ張られながら、階段を昇って二階へと行く。
耳を澄ませば、かすかに聞こえるアラート音。
このアラートは確か……!
急いでアジトの奥の部屋に入れば、デスクトップ画面に映し出されている数々の警告。
ab「誰かにアクセスされた…!?」
ru「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
呪文のように“ごめんなさい”と繰り返す顔面蒼白のラウール。
とりあえず椅子に座って、アラート音を止める。
誰かがこのパソコンにアクセスしようとしている。
……ん?いや、過去形か。
セキュリティはバッチリで、何重にもいろんなタイプのロックを掛けてあるから、途中で諦めたのだろうか。
確認してみれば、今朝3時くらいでアクセスは止まっている。
ab「とりあえず、大丈夫だよラウール。何もハックされてないし。」
ru「でも……っ」
ラウールは未だに顔が真っ青で、視線も定まっていない。
なんでラウールがこんなに…?
ru「僕っ…昨日ターゲット被ったってなった時に焦っちゃって…それで…データ一つだけ消し忘れてたみたいで……!」
あー…ほんとだ。
データが残っちゃってる。
…くそ、あの時俺がもっとちゃんとしていれば。
ちゃんと指示を出して……いや、それ以前に万が一の為のプランを考えておけば。
ab「……大丈夫、しょうがないよ。大事にならなかったから、今回は大丈夫。俺も悪いし、そんな自分を責めないで?」
ru「阿部ちゃ……」
ab「今回のことはとりあえず忘れて、次からは気をつけよう?ね?」
ru「……うんっ…」
ab「ちょっとこれ処理しておくから、まだ上にいていいよ」
涙目のラウールの頭を撫で、上に戻るのを見届けて椅子に座り直した。
…ロック、全部掛け直さないと。
全部処理し終わった頃には、部屋の外から康二達の声が聞こえてきた。
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れいあ(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます、そう言って頂けて幸いです!そうなのですね、ab sideを気に入ってくださってありがとうございます!是非頑張らせていただきます! (2020年6月14日 17時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
もも - いつも更新楽しみにしております!個人的にabsideのほうがすごく好きです!更新頑張ってください! (2020年6月13日 21時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - めぐみみさん» めぐみみさん、ありがとうございます!お得感ありますかね!?良かったです!!!(笑)是非頑張らせていただきます、コメント本当にありがとうございます! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - こんにちは。阿部ちゃん視点のお話も読みに来ました。2人の視点が分かれてるお話ってなんだかお得感がありますね(笑)2人の秘密がいつかバレる日が来るのかちょっとドキドキしながら読んでます。更新楽しみにしていますので頑張って下さいね。 (2020年5月30日 15時) (レス) id: 5685bea8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいあ | 作成日時:2020年5月27日 22時