Segreto - side. R.A.

＊ ページ18

mm「阿部ちゃん、お疲れ様」




ab「お、目黒」




ホテルの外に出ると、目黒が立っていた。




ab「随分早いね」




mm「面倒だったんですぐ殺りました」




ab「まぁじか笑」




mm「阿部ちゃんこそ遅かったっすね」




ab「ちょっと付き合ってあげたの」




mm「へぇー…優しいっすね」




ab「ふふっ…どうだか」




優しい、か。


果たしてこれは本当に優しさなのか。


自分は殺されるって分かって死ぬほうがいいって場合もあったりすんのかなー…なんて。


……思ったより早く終わったな。


とりあえずアジトに戻るべきか？




ab「目黒、もう帰る？」




mm「んー…出来ればそうしたいっすね。なんか疲れたし。」




ab「そっか。じゃあ物は全部俺が処分しとく。」




mm「え、いいんすか？」




ab「うん」




mm「やった。あざっす！」




どうせ途中まで帰り道は同じだから、そこまで一緒に歩いていく。




ab「…あのターゲット達、殺人事件の目撃者だったよ」




mm「あー…そうだったんだ」




ab「なんかちょっと可哀想になっちゃったなぁー」




mm「それでもちゃんと殺すんだ笑」




ab「そりゃあ勿論。」




…だって、それ以外の選択肢は俺らには無いのだから。


依頼を放り投げたりなんかしてそれがバレたら、今度は俺が殺される。


逃したターゲットだってどうせ殺されるし、無駄死にになっちゃう。


でも、こんなの慣れっこ。


可哀想だとは思っても、それ以上はない。


罪悪感なんて感じない程、その分の仕事を今までこなしてきた。




mm「じゃ、俺こっからタクシー取るんで」




ab「うん、じゃあまた明後日」




mm「お疲れ様でした」




…俺も早く帰ろ。


カフェの裏口から鍵を開けて中に入って荷物だけ置いて、そのまままだ誰もいないであろう家に帰った。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す