67 sk side ページ27
sk「………へ?」
ab「だから、俺、佐久間のことが好きなの」
…ちょっと待って、理解できない。
阿部ちゃんが、俺のこと、好き?
言葉が頭の中をぐるぐる回る。
いや、待って、そんなわけないじゃん。
ふっかだ、絶対ふっかだ。
ふっかが俺の気持ちに気づいて言わせたんだ。
だんだんあの嫌な苦しさが蘇ってきたけど、どうにか喋り続ける。
sk「そんなわけない、ふっかでしょ…!げほっ…
ふっかが言わせてるんでしょ!?俺がッ…ごほっ…死ぬからって……!」
俺の口からまた、あの花が舞い落ちる。
ab「違うってば!本当に俺佐久間が好きなの!」
sk「そんなわけない!!!だって、だって…!…げほっごほっ…」
阿部ちゃんも俺が好きだなんて都合の良い話、三次元にあるわけない。
俺の思考はそうロックされてしまって、阿部ちゃんの言い分が全く頭に入ってこない。
咳も吐き気も酷くなってきて、余計わかんない。
sk「ゴホッガハッ……う゛ぇっ……」
ab「…あぁもう!」
痺れを切らしたかの様な声を出した阿部ちゃんは、急に俺の吐き出した花を少し片手で掬って、口の中に放り込んだ。
………放り込んだ?
sk「ッは!?え、阿部ちゃん花食って……え!?!?…げほっ…」
待って、何食べてんの!?
ってか感染るじゃん!!!
sk「阿部ちゃん早く吐き出して!!!ペッてしてペッて!!!l
俺が焦っているのを気にも留めず、ごくんと花を飲み込んだ。
ab「…いやもう接触した時点でアウトだし」
sk「あっそうか……って、じゃあなんで触るんだよ!?」
ab「こうすれば信じてくれるかなって……げほっごほっ…」
阿部ちゃんの口からも、花が溢れる。
俺のとはまた違う、真っ赤な花。
ab「わ、アネモネじゃん。お洒落ー…げほっ…
てか結構キツイなこれ…喉痛い……」
いやいや、何冷静に言ってんの!?
sk「お洒落ー…じゃないよ!!!何してんのホント!?ゴホッ…」
男2人が咳をしながら、花を吐きながら喋ると言う異様な光景。
それも全然気にすることなく、いつもと変わらない様な様子の阿部ちゃん。
ab「いいじゃん別に、どうせ治るんだから」
…もしかして、マジなの?
いや、でも嘘だったらわざわざ花なんて食べない…
俺が混乱しているのを見てふふっと笑い、もう一度口を開いた。
ab「佐久間、愛してる」
.
.
.
2輪の白銀の百合がコロリと零れ落ちた。
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れいあ(プロフ) - 椿と猫さん» えぇぇっ!ありがとうございます、私もそう言って頂けて物凄く嬉しいです(泣)是非頑張らせていただきますので、これからも是非作品作者共々よろしくお願い致します…! (2020年5月27日 22時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
椿と猫(プロフ) - れいあさん» ほんとですか!?めっちゃうれしいです!れいあさんの作風すごく好きで参考にさせていただいてます!これからも頑張ってください! (2020年5月25日 23時) (レス) id: 5dcbe78cc5 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - すのすのーさん» ありがとうございます!無事完結できました!複雑な題材な為不安だったのですが、そう言っていただけて嬉しいです…!是非また阿部ちゃん関連の作品書かせていただくつもりです!是非別作品でもお会いできることを願ってます! (2020年5月25日 22時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - そら。さん» ありがとうございます!えぇぇそう言っていただけて凄く嬉しいです!(泣)この作品を最後まで読んでいただいてありがとうございます!是非次の作品でもお会いできることを願っています! (2020年5月25日 22時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 椿と猫さん» コメントありがとうございます!椿と猫さんの作品、以前から拝見させていただいてます…!この作品を読んでいただいて凄く嬉しいです!検討させていただきます、ご提案ありがとうございました! (2020年5月25日 22時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいあ | 作成日時:2020年5月17日 11時