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kj「なぁめめ、やっぱり……うわっ!すみませ……あ、行っちゃった……」
目黒の体調を心配する向井が声をかけようとするも、肩がぶつかったことで遮られる。
謝ろうとしたが、それより前に相手は店を出ていってしまった。
大した衝撃では無かった。
ほんの少し、よろめいた程度であった。
しかし、横の彼は違かった。
mm「ッう゛……!」
口元を押さえて目黒は蹲る。
押し寄せる吐き気に息が吸えず、頭がクラクラする。
幸い前の様な過呼吸は起きてないない。
だがそれでも、立ち上がれなくなるには十分であった。
kj「照くんッ!ふっかさんッ!!!」
iw「どうし……目黒!?」
これはマズい、と思って向井が前を歩いている岩本と深澤を呼べば、振り返って目黒の様子を見た岩本が駆け寄ってくる。
早く、どうにかして楽にしてあげなければ。
そう思うものの、向井はあることに気づく。
kj「っどうしよ、ここじゃコンタクト外せない…!」
そう、ここは街の中。
“救世主”であるとバレてはいけない彼らは、眼を露にすることが出来ない。
よって、深澤が目黒を落ち着かせることも、渡辺が厄を浄化することも出来ない。
mm「はぁっ……あ゛………」
意識が朦朧とし、目黒の口からは声になりきれない掠れた呻きが漏れる。
黒く靄がかかったような視界と、あちこちに響く身体の痛みに、意識を保つことすら諦めたい様な気分であった。
周りの他の客も事態に気付き始め、視線を目黒に向ける。
このままでは更に騒ぎが大きくなってしまう。
……ここに長くはいられない。
kj「て、照にぃ、どうする……?」
iw「……とりあえずこの店を出るしかない。目黒、身体動くぞ。」
最早岩本の声は目黒に届いていないが、岩本はそっと目黒の身体を持ち上げ背負う。
目黒は岩本より身長が高いものの、普段から身体を鍛えてる岩本には、彼を背負うことは全く苦でなかった。
買い物を終え入り口付近まで戻ってきた阿部達に深澤が事情を説明し、先を考えず一先ず店を出る。
nb「人通り少ないとことかで外すとか出来ねぇの…!?」
ab「いや、ここら辺一帯は大きな道しかないし店も密集していて無理だ。」
sk「お迎え頼んだりできないの……?」
iw「それは………。」
岩本がチラリと深澤を見れば、深澤は苦い顔をする。
お迎えなんて到底頼めやしない。
____今回も、無断で街に出たのだから。
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そら。 - お忙しい中リクエストに応えていただきありがとうございました!まさに読みたかった場面で感動です…。これからも頑張ってくださいね、応援してます! (2021年1月31日 22時) (レス) id: c6c4969a03 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - そら。さん» 大変遅くなりました、リクエスト書かせていただきました…!全4話構成となっておりますので、是非読んでいただけたら幸いです!ご希望に添えていればいいのですが、、是非これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2021年1月31日 17時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» こちらこそです!!!かなりお話が長くなってしまいました、(笑)え、是非是非!!!リクエストいつでもお待ちしております!いつもこの作品を本当にありがとうございます! (2021年1月11日 11時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
Raw(プロフ) - れいあさん» 今回もリクエストに応えていただき、本当にありがとうございます!今回のお話も本当に凄いです!!また機会がありましたらリクエストしてもよろしいでしょうか、、? (2021年1月3日 23時) (レス) id: c8dae37643 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» 遅くなり申し訳ありません、目黒くんのお話書かせていただきました…!中々ご希望に添えているか不安ですが、出来る限りやったつもりなので是非読んでいただけたら幸いです。リクエスト2度も本当にありがとうございました(泣) (2021年1月3日 20時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいあ | 作成日時:2020年12月12日 8時