Genesis. II

＊ ページ28

nb「うわ、佐久間まだ選んでんの？」




数十分経っても一向に会計に向かう気配のない佐久間に呆れながら、渡辺が言い放つ。

その手には沢山の飲み物が入った袋が。

殆どがアルコール類で、中にはジュースも混ざっていた。




nb「真隣にスーパーマーケットあったから行ってきた。」


fk「それ俺が好きなやつじゃん！！！」


nb「感謝しろよ。」




アルコール類は特に手に入らない分、渡辺は他の皆の分も含め多めに買ってきていた。

予め多く買っておいて、冷蔵庫の奥に隠す作戦だった。




sk「おっまたせーーー！！！」


nb「待たせすぎだわ。」




時間を使えるだけ使って、満点の笑顔で戻ってきた佐久間。

どうやら毎回この展開はお決まりらしく、“あーまたやっちゃった？”なんて佐久間は笑う。

周りも誰も咎めないことから、なんだかんだ佐久間に甘いのだろう。




ru「あとは阿部ちゃんのものだけ？」


ab「そうだね。少し距離あるけど、付き合ってくれたら嬉しいな。」


sk「そりゃあ勿論付き合いますよ〜っ！」


nb「お前が文句言ったらぶん殴るわ。」




“え〜こわぁ〜い！”なんてふざけ合いながら、街の奥の方へと進んでいく。

人通りは相変わらずあるものの、こちらの方が比較的少ない。

白で統一されていた街並みは段々茶へと変わっていき、先程とは違う雰囲気が漂う。




mm「ここは大体この国の商人が外国から輸入してきた物を多く売ってるとこ。」


ru「へぇ〜そうなんだ！」


iw「確か目黒の親父の店も近くだったよな。」


mm「そう。」




どこか得意気に説明する目黒の言葉を聞き、ラウールは街を見渡す。

確かに、先程までの白の街で売っていたものとは造りやデザインが異なるものが多い。

ほのかに潮の香りが漂うことから、港も近くにあるのだろうか。




mm「あれ、ウチの店。」


fk「え、あれ！？」




普通のテンションで新情報を明かす目黒に、深澤は驚きの声を挙げる。

何度も今までこの道を通ったにも関わらず、目黒が自分の親の店のことを言ったことはほぼ無かった。

別に隠そうとしたわけでは無く、単に目黒が言う気分にならなかったというだけであるが。




mm「今店番してんの弟だわ。」


kj「どれや！？」


nb「いやあれ目黒じゃん！！！」




度重なる発言に、他の八人は大盛り上がり。

交互に、店先で仕事中の目黒弟を見ては、似てるとキャッキャと騒いでいた。




dt「……挨拶しに行かなくていいの？」

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