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dt「勝手に決めるな、か……。」




肩の荷が降りる感覚。

そうだ、自分は図々しくも勝手に渡辺にとっての幸せが何かを決めつけてしまっていたのだ。

自分がここに閉じ込められるとしても、渡辺が外で自由に暮らせる方が幸せだと、そう決めつけていたのだ。





nb「そりゃ、歌ったらごちゃごちゃ煩くされるのはうぜーけど、でも、でも……!!!」


dt「……翔太、もう大丈夫、わかったよ。」


nb「涼太……。」




どこか泣きそうな、悲しそうな声色が心に染み込み、宮舘は先程までの渡辺に対する自分の考えを悔やんだ。

自分は今まで何年も彼と共に生きていたのに、こんなことも気づけなかったのか。

痛い程に思い知った宮舘が渡辺の言葉を遮ると、渡辺も我に返って口を噤む、

揺れる青藍の眼をしっかりと捉え、数回深く呼吸をし、宮舘は口を開いた。




dt「ごめん。確かに、勝手に翔太にとって何が幸せか決めつけてた。こんなところに来ない方が、例え俺らがもう会えなかったとしても、翔太は幸せだと思ってた。」


nb「………。」


dt「でも……うん、なんだろうね。翔太が居ない人生なんて、考えられないや。」




“俺の方がダメになっちゃうかも”なんてへらりと言えば、自らの幼馴染がそんなことを言うと思わなかった渡辺は目をぱちくりとさせた。




dt「……ふふ、なんか俺結構酔ってる見たい。」


nb「……知ってる。」




はにかむ宮舘に、渡辺も似た表情になる。

幼い頃から一緒にいすぎたせいか、どうやら気づかないうちに思考やら何やらに共通点が出来ていたらしい。

宮舘と渡辺、そのどちらにおいても、どちらか一方の存在しない人生なんてものはあり得なかった。

ただの”幼馴染“以上に強い彼らの友情から、切っても切れない関係であった。




dt「続き、歌ってくれる?」




宮舘の言葉を聞き、返事をせずに渡辺は再び歌い出す。

今度は宮舘が罪悪感を覚える事はなく、優しい音色に包み込まれるだけだった。




nb「ねぇまだ…えぇ……?」




まだ歌うべきなのかを聞こうと思った渡辺であったが、質問しようとした相手は既にベッドに沈み込んでいた。

アルコールの影響だろうか。

中々見ない姿に、渡辺は無意識にニヤつく。




nb「何余計な事考えてくれてんだよほんと……」




麦茶をテーブルに置いて、代わりに毛布を運んでくる。

すれ違いはあれど自分の幸せを願ってくれたことを心の中で嬉しく思いながら、渡辺は毛布をそっと宮舘にかけた。

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そら。 - お忙しい中リクエストに応えていただきありがとうございました!まさに読みたかった場面で感動です…。これからも頑張ってくださいね、応援してます! (2021年1月31日 22時) (レス) id: c6c4969a03 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - そら。さん» 大変遅くなりました、リクエスト書かせていただきました…!全4話構成となっておりますので、是非読んでいただけたら幸いです!ご希望に添えていればいいのですが、、是非これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2021年1月31日 17時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» こちらこそです!!!かなりお話が長くなってしまいました、(笑)え、是非是非!!!リクエストいつでもお待ちしております!いつもこの作品を本当にありがとうございます! (2021年1月11日 11時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
Raw(プロフ) - れいあさん» 今回もリクエストに応えていただき、本当にありがとうございます!今回のお話も本当に凄いです!!また機会がありましたらリクエストしてもよろしいでしょうか、、? (2021年1月3日 23時) (レス) id: c8dae37643 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» 遅くなり申し訳ありません、目黒くんのお話書かせていただきました…!中々ご希望に添えているか不安ですが、出来る限りやったつもりなので是非読んでいただけたら幸いです。リクエスト2度も本当にありがとうございました(泣) (2021年1月3日 20時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れいあ | 作成日時:2020年12月12日 8時

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