22 あいつにだけは ※ ページ22
「おい何ボーッとしてんだよ！！！」
『う“っ…』
再び訪れた腹部の鈍い痛みに、現実に意識を引き戻される。
どうやら、腕や足や背中や、昔を思い出している間に至る所を殴られていたらしい。
全身に鈍い痛みが残り、どこにも力が入らない。
頭上で一纏めにされている腕も、痛くて痛くてたまらない。
あの場にこの2人は居なかったはずなのに、2人の行動や言動があの日の記憶と重なる。
思い出してしまった以上、もう俺には恐怖しかない。
「てかなんだよその格好、今度は女装？笑」
「きっも笑笑
あ、文化祭の出し物なんだっけぇ？同じ格好の奴と随分親しげに歩いてたよね〜」
「今度はアイツな訳？なぁ、アイツにバラしたら面白くね？」
何を、とまでは言わなかったが、ハッキリとわかった。
『やめてッ佐久…間だけ…に…はッッ…』
「へぇ、佐久間って言うんだ」
『あっ……』
痛みを堪えながら紡いだ言葉は、逆に自分を追い詰めてしまった。
あいつにだけは、
佐久間にだけは、
絶対に知られたくない。
『お願…いだか…ら……！』
懇願する俺の様子を見て、何かを思いついたようにニヤッと笑った2人。
嫌でも何を考えているのかわかってしまった。
自分の物分かりの良さを恨む。
「そういえばさ、俺ら最近溜まってるんだよねぇ〜」
『いっ……嫌だッそれだけはッッ』
必死に逃げようと試みるが、何度も殴られ蹴られた身体は言うことをきかない。
2人に壁に押さえつけられ、余計身動きが取れない。
ビリビリと服が破られる音に、あの時と同じ恐怖を感じる。
『嫌だ嫌だ嫌だ！！！離せッ！！！』
残っている全ての力を込めて1人を押し退けると、ドンッという音と共にそいつがひっくり返った。
それに触発され、もう1人が強く俺の頭を殴る。
『……あ………ぅ………』
当たりどころが悪かったのか、意識がどんどん遠のいていく。
薄れていく視界の中、ニヤニヤと相変わらず笑う2人が見える。
あぁまずいヤられる、とも思ったが、自分の意識がなくなることに少し安心感を覚えた。
意識さえなければ、痛くも苦しくもない。
「…い……や…て……る……！！！」
意識を手放す瞬間、大好きな佐久間のあの声が聞こえたような気がした。
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れいあ(プロフ) - ひぃなさん» 新展開、入りました！笑こちらこそよろしくお願いしますーー(*>ω<*)/コメントありがとうございました！ (2020年4月29日 11時) (
レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな - あら、新展開！沢山更新ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！あべさくが結ばれて幸せになりますよーに！！ (2020年4月27日 16時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - めぐみみさん» はじめまして、コメントありがとうございます！新しい登場人物出てきましたね…！そう言っていただけて凄くうれしいです！是非とも今後この作品をよろしくお願い致します！ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆきんこさん» ありがとうございますーーー！！！ゆきんこ先生にそう言っていただき感激です(ノД`)是非是非頑張らせていただきます！！！ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読ませて頂いています。二人の距離が近づいたかな?と思っていたんですが、邪魔する人が現れた予感がします…この先の展開も楽しみにしていますね。 (2020年4月26日 12時) (レス) id: 5685bea8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年4月1日 21時
