21 なのになんで ページ21
行かなくなった、というよりは、行けなくなった、という方が正しい。
いくら傷を負っても意地で学校に行こうとした俺だったが、ついに心が限界を迎えた。
複数の人数に暴行を受けた事で、心も身体も壊れてしまった。
あの日、ボロボロの身体で自力で家に戻ったときの母親の顔は一生忘れない。
新しい傷や痣の数々と、身体や服に付着した体液を見て、察してくれたのだろう。
何も言わず、何も聞かず、ただただ抱きしめてくれた母には心から感謝している。
それからは家に篭り、家族と心理カウンセラーとしか話さない日々が続いた。
この様な状況にした相手に両親は酷く憤り、学校側に訴えたことで俺のいじめに直接的に加担した生徒は皆退学、見て見ぬ振りをした担任も解雇となった。
俺に対していたことは立派な犯罪なので、警察沙汰にもなったらしいが、結局どうなったのかは聞いていない。
俺のことをバラしたあの子も、どこからか話を聞いて家に謝罪に来たらしいが、会うことはしなかった。
母から聞いた話だと、俺の進学した高校の同級生に知り合いがいたらしく、中学の話をしていた際に、話してしまったらしい。
俺の名前はその際に出さなかったらしいが、多分話を聞いた奴が自力で調べて、偶々当たってしまったのだろう。
そんなつもりはなかった、本当に申し訳ない。と、何度も謝罪に来たらしい。
その話を聞いて、何故か自分は納得できた。
恨む気にも全くならなかった。
むしろ、悪意が無かったことを知って安心した俺がいた。
8月上旬に入った頃、両親の優しさでわざわざ家を引っ越し、転校することになった。
夏休み明けからの転校という形にはなるが、行かなくても構わない。そう言ってくれた。
毎日あの記憶の悪夢に魘され、地獄の様な日々を送ってた俺には、到底行く気はなかった。
でも、来る日も来る日も泣いて、泣いて、泣き続けていた俺の涙は、いつしか枯れてしまった。
全てがどうでも良くなって、あの記憶が本当にただの夢な気さえしていた。
あれはただの夢。
そう思い込んだら、全て忘れられたような気がした。
“俺、学校行くよ。”
そうして行き始めた新しい学校。
佐久間の笑顔に一目惚れし、取り戻した普通の日々。
悪夢に魘されず、毎晩意識が無くなるまで泣くこともなくなった。
今度こそは、自分の気持ちを隠してでも普通の生活を。
そう思っていた。
なのに、
なのに………！
22 あいつにだけは ※→←20 むかしのきおく ※上記に同じ
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れいあ(プロフ) - ひぃなさん» 新展開、入りました！笑こちらこそよろしくお願いしますーー(*>ω<*)/コメントありがとうございました！ (2020年4月29日 11時) (
レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな - あら、新展開！沢山更新ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！あべさくが結ばれて幸せになりますよーに！！ (2020年4月27日 16時) (レス) id: f787327a83 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - めぐみみさん» はじめまして、コメントありがとうございます！新しい登場人物出てきましたね…！そう言っていただけて凄くうれしいです！是非とも今後この作品をよろしくお願い致します！ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆきんこさん» ありがとうございますーーー！！！ゆきんこ先生にそう言っていただき感激です(ノД`)是非是非頑張らせていただきます！！！ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 0e24289ba8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読ませて頂いています。二人の距離が近づいたかな?と思っていたんですが、邪魔する人が現れた予感がします…この先の展開も楽しみにしていますね。 (2020年4月26日 12時) (レス) id: 5685bea8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年4月1日 21時
