L e g a r E 02 (ページ50)

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バスの中でスタッフさんと待機してたライちゃんを

そっと抱き抱えて外に出る。

どうしたの？

なにがあるの？

そんな瞳を向けてくる。

そのまま森川さんに託すと

しっぽをブンブン振り始める

『もう、迷子になっちゃダメだよ』

そう言って頭を撫でると

また嬉しそうに目を細める。

『それじゃあ、ありがとうございました』

「これからも頑張ってくださいね」

『ありがとうございます。

…じゃあね、ライちゃん』

ロケバスに乗り込もうとした時

＿＿＿ｷｬﾝｯ

『…えっ？』

ライちゃんが初めて吠えて

森川さんの手からじたばた飛び降りて

私の横に来てちょこんと座る。

そして私の目をじっと見つめる。

そこにしゃがんでまた頭を撫でる

『…幸せになるんだよ』

そう言ってライちゃんを抱き上げて

森川さんにもう一度託す。

そのままロケバスに乗り込んで

東京に向かう。

バスが見えなくなるまで見送ってくれた

2人と1匹。

『…っ……』

抑えていた涙が次々溢れてくる。

『…ライちゃ…っ…』

元々の家族のところに戻ることは

当たり前だけど嬉しいこと。

それでも1ヶ月間一緒にすごした子と

離れてしまうのは

すごく寂しくて、悲しかった

それでも、私は願ってる

あの3人の幸せを＿＿＿