L e g a r E 02 (ページ42)

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『…懐かしいですね、この光景が』

バスから福島の街を眺める。

もうすぐ、震災から1年を迎える。

それでも、瓦礫が積まれていて

視界が広いこの光景には

感じるものがある。

「ここですね。ここに泥だらけで

ずっとふせをしてたんです。」

『ここで…？』

「はい。」

案内してくれる方について行き、お話を聞く

『飼い主の方は…？』

「飼い主だった方が、ここの瓦礫の下にいたんです。

ずっと吠えていて助けを求めていたんですけど

津波で運ばれてきたものは

私たちにはそんな簡単には取り除けなくて。

それでも諦めないで、人が来たら吠えてたんです。

1週間もずっと、この場所で。」

その場所にしゃがんで手を合わせる。

今から、私がその子の心を開いてみせます。

…安心してください。

「決めてくれた理由ってある？」

向かっている車内の中でスタッフにそう聞かれる。

『私、アネモネの撮影中にここで被災して。

その時、歌ったんです。誰かの心が

少しでも明るくなるように。

TOKIOの兄さんたちが福島を大切にしてて

力になってる姿を見て、私も真似したいって思って。

福島に、関わりたいなって。』